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中国経済見通し~成長率は6.5%前後へ減速と予想、リスクは“住宅バブル崩壊” と“トランプシフト”
三尾 幸吉郎
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1.経済成長とインフレ
中国経済の成長率は上向いた。1月20日に中国国家統計局が公表した10-12月期の実質GDP成長率は前年同期比6.8%増となり、2年ぶりに前四半期の伸びを上回った(図表-1)。内訳を見ると、第1次産業は前年同期比2.9%増、第2次産業は同6.1%増、第3次産業は同8.3%増だった。第3次産業が引き続き高い伸びを示し経済を牽引するとともに、ここもと経済成長の足枷となっていた第2次産業も、1-3月期の伸び(同5.9%増)をボトムに4-6月期は同6.3%増、7-9月期は同6.1%増、10-12月期は同6.1%増と、低水準ながらも底割れを回避した。なお、2016年の実質成長率は前年比6.7%増となり、政府目標の“6.5-7.0%”の範囲内に納まった。
一方、インフレ率は原油高、人民元安、住宅価格上昇などを受けてやや上昇した。2016年の消費者物価は前年比2.0%上昇と2015年の同1.4%上昇を上回った。また、工業生産者出荷価格は同1.4%低下と2015年の同5.2%低下から下落ペースが鈍化した。これを受けて名目成長率が実質成長率を下回る“名実逆転”は解消、2016年の名目成長率は前年同期比8.0%増と、実質成長率(同6.7%増)を1.3ポイント上回った。過剰生産能力を背景としたデフレ懸念は依然として根強いものの、供給面では鉄鋼の大型合併など構造改革に対する期待が高まっており、需要面でもインフラ整備の加速に伴い需要が増えたことから、需給バランスが改善してデフレ圧力は緩和した。なお、工業生産者出荷価格は消費者物価の先行指標でもあることから、今後は消費者物価へ波及していく可能性がある(図表-3)。国産スマホの値上げが相次ぐなど、既にその兆候は見え始めている。
2.需要面の動き
(2017年02月24日「Weekly エコノミスト・レター」)
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