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コラム
2017年02月16日

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このように、60代後半以降の働き方としては、現役期の勤務先を退職した後、より小規模な企業に週に数日もしくは一日あたり数時間程度の勤務条件のもと就職しているケースが多くなっているものと思われる1。
2012年の「高年齢者雇用安定法」改正により、“高齢者の活躍促進”についての議論はやや熱を失いつつあるようにも見受けられる。しかし、これまでみてきたように、現在では高齢者のなかでも60代後半では男性の2人に1人、女性の3人に1人が、70代前半では男性の3人に1人、女性の5人に1人が、それぞれ非正規を中心として何らかの仕事に就いており、生計の足しとして、あるいは、健康維持や生きがいの一環として働き続けている。これらの世代における就業率は上昇傾向が続いていることから、今後もさらに多くの高齢者が引き続き労働市場に残り働き続けることになるものと予想されよう。「一億総活躍社会」の実現に向けては、これら高齢者の知識や経験を十二分に発揮できる環境を整えていくことも、引き続き議論を深めていく必要があるのではないだろうか。
1 実際に、総務省統計局「平成23年 社会生活基本調査」より、65歳以上の就業時間についてみると、平日の仕事時間は男性で7時間程度、女性で5時間半~6時間となっており、往復の通勤時間を含めても8時間程度に留まっている。
2012年の「高年齢者雇用安定法」改正により、“高齢者の活躍促進”についての議論はやや熱を失いつつあるようにも見受けられる。しかし、これまでみてきたように、現在では高齢者のなかでも60代後半では男性の2人に1人、女性の3人に1人が、70代前半では男性の3人に1人、女性の5人に1人が、それぞれ非正規を中心として何らかの仕事に就いており、生計の足しとして、あるいは、健康維持や生きがいの一環として働き続けている。これらの世代における就業率は上昇傾向が続いていることから、今後もさらに多くの高齢者が引き続き労働市場に残り働き続けることになるものと予想されよう。「一億総活躍社会」の実現に向けては、これら高齢者の知識や経験を十二分に発揮できる環境を整えていくことも、引き続き議論を深めていく必要があるのではないだろうか。
1 実際に、総務省統計局「平成23年 社会生活基本調査」より、65歳以上の就業時間についてみると、平日の仕事時間は男性で7時間程度、女性で5時間半~6時間となっており、往復の通勤時間を含めても8時間程度に留まっている。
(2017年02月16日「研究員の眼」)
井上 智紀
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