- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- アジア経済 >
- 【東南アジア経済】ASEANの消費者物価(1月号)~資源価格上昇を背景とする緩やかな上昇が続く
2017年01月23日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大

主要品目別に見ると、運輸は同0.8%増(前月:同0.3%減)と、ガソリン価格の上昇と駐車料金の値上げによって上昇し、1年5ヵ月ぶりのプラスに転じた。またサービス価格は同1.6%増(前月:同1.5%増)と、通信料金の値下げにもかかわらず、12月の休暇費用の増加を受けて上昇した。このほか、食品も同2.1%増(前月:同2.0%増)と若干上昇した。一方、住宅・光熱費は同3.8%減(前月:同3.7%減)と沈滞受託市場の鈍化によってマイナス幅が若干拡大した。
自動車と住宅を除いたMAS(シンガポール金融管理局)のコアCPI上昇率は同1.2%増(前月:同1.3%増)と小幅に低下し、依然として低水準で落ち着いた動きとなっている。
MASは2017年のインフレ率が0.5%~1.5%と、ガソリン価格の上昇や駐車料金の値上げなどを背景に2016年の▲0.5%から上昇すると緩やかに上昇すると予測している。

主要品目別に見ると、まず全体の4割を占める食品・飲料(酒類除く)は同3.6%増と、クリスマスシーズンの需要増や大型台風に伴う農産物の生産の落ち込みによる野菜・果物の高止まりにより、前月の同3.3%増から一段と上昇した。また運輸も燃料や輸送サービスの価格上昇の上昇を受けて同1.9%増(前月:同0.5%増)と上昇した。なお、今春から上昇傾向が続いていた住宅・水・電気・ガス・燃料は同1.3%増と、光熱費こそ引き続き上昇したものの、賃料の低下を受けて前月から横ばいとなった。
食品とエネルギーの一部を除いたコアCPI上昇率は同2.5%増と、前月の同2.4%増から若干上昇した。強い消費需要を背景にコアCPI上昇率も緩やかな上昇傾向にある。
中央銀行はインフレ率が17-18年は電気料金の引上げや石油価格の上昇、強い内需を受けて上昇し、物価目標(2-4%)の範囲内で推移すると予測している。

主要品目別に見ると、保健・ヘルスケアはウェイトが全体の5%と大きくないものの、伸び率が同55.7%増(前月:同48.1%増)と医療費の引上げによって一段と上昇した。また運輸は同1.1%減(前月:同1.8%減)と、ガソリン価格の値下げを受けてマイナス幅が縮小した。このほか教育は10.8%増と、新学年が始まった9月から二桁増が続いている。一方、食品は同2.9%増(前月:同3.1%増)、住宅・建材は同3.3%増(前月:同3.6%増)とそれぞれ小幅に低下した。
食料品とエネルギー、政府の価格統制品目(医療・教育)を除いたコアCPI上昇率は同1.9%増(前月:同1.9%増)となり、年明けから概ね横ばい圏の推移が続いている。
(2017年01月23日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1780
経歴
- 【職歴】
2008年 日本生命保険相互会社入社
2012年 ニッセイ基礎研究所へ
2014年 アジア新興国の経済調査を担当
2018年8月より現職
斉藤 誠のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/04/16 | インド消費者物価(25年3月)~3月のCPI上昇率は+3.3%、約6年ぶりの低水準に | 斉藤 誠 | 経済・金融フラッシュ |
2025/04/08 | ベトナム経済:25年1-3月期の成長率は前年同期比6.93%増~順調なスタート切るも、トランプ関税ショックに直面 | 斉藤 誠 | 経済・金融フラッシュ |
2025/03/21 | 東南アジア経済の見通し~景気は堅調維持、米通商政策が下振れリスクに | 斉藤 誠 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/03/13 | インド消費者物価(25年2月)~2月のCPI上昇率は半年ぶりの4%割れ | 斉藤 誠 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年05月01日
日本を米国車が走りまわる日-掃除機は「でかくてがさつ」から脱却- -
2025年05月01日
米個人所得・消費支出(25年3月)-個人消費(前月比)が上振れする一方、PCE価格指数(前月比)は総合、コアともに横這い -
2025年05月01日
米GDP(25年1-3月期)-前期比年率▲0.3%と22年1-3月期以来のマイナス、市場予想も下回る -
2025年05月01日
ユーロ圏GDP(2025年1-3月期)-前期比0.4%に加速 -
2025年04月30日
2025年1-3月期の実質GDP~前期比▲0.2%(年率▲0.9%)を予測~
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【【東南アジア経済】ASEANの消費者物価(1月号)~資源価格上昇を背景とする緩やかな上昇が続く】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
【東南アジア経済】ASEANの消費者物価(1月号)~資源価格上昇を背景とする緩やかな上昇が続くのレポート Topへ