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- 資本市場から見た不動産価格に対する金利上昇インパクト~インプライド・キャップレートの金利感応度分析~
2016年08月29日
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■要旨
■目次
1――好調な不動産投資市場を後押しする歴史的な超低金利
2――インプライド・キャップレートの概要とキャップレートとの関係
3――インプライド・キャップレートの金利感応度の推計
1|推計の概要
2|推計結果
4――金利上昇シナリオにおけるインプライド・キャップレートの上昇
1|市場が予想する金利上昇シナリオ
2|金利上昇シナリオで予想されるインプライド・キャップレート上昇
5――おわりに
- 不動産投資市場が好調に推移しているが、その背景には日本銀行の大胆な金融政策に後押しされた金利低下がある。市場では金利の低位安定が続くとの見方が多いが、金利が人為的に低く抑えられている状況を鑑みれば、将来的に金利が急騰する懸念もある。
- 本稿では、インプライド・キャップレートの金利感応度、即ち、金利変動がインプライド・キャップレートに及ぼす影響を推計した。また市場の予想する金利上昇シナリオが示現した場合に、インプライド・キャップレートがどれほど上昇すると予想されるかについても試算した。
- インプライド・キャップレートの金利感応度は、キャップレートの変動要因分析により推計した。その結果、足元のインプライド・キャップレートの金利感応度は概ね1であることが分かった。即ち、金利が1%上昇するとインプライド・キャップレートが1%上昇すると予想される。過去と比較してもインプライド・キャップレートの金利感応度は高く、現在は金利上昇に対して脆弱な環境であることを示している。
- 市場の予想する金利上昇シナリオが示現した場合、インプライド・キャップレートは2016年7月末からの1年間で0.4%強上昇すると予想される。この場合、他の条件が一定だと仮定すると、1年間で不動産価格が約10%下落することが示唆される。
■目次
1――好調な不動産投資市場を後押しする歴史的な超低金利
2――インプライド・キャップレートの概要とキャップレートとの関係
3――インプライド・キャップレートの金利感応度の推計
1|推計の概要
2|推計結果
4――金利上昇シナリオにおけるインプライド・キャップレートの上昇
1|市場が予想する金利上昇シナリオ
2|金利上昇シナリオで予想されるインプライド・キャップレート上昇
5――おわりに
(2016年08月29日「基礎研レポート」)
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経歴
- 【職歴】 2006年4月 住友信託銀行(現 三井住友信託銀行) 2013年10月 国際石油開発帝石(現 INPEX) 2015年9月 ニッセイ基礎研究所 2019年1月 ラサール不動産投資顧問 2020年5月 ニッセイ基礎研究所 2022年7月より現職 【加入団体等】 ・一般社団法人不動産証券化協会認定マスター ・日本証券アナリスト協会検定会員
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