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- 【東南アジア経済】ASEANの輸出動向(7月号)~原油価格上昇でマイナス幅縮小も、冴えない展開が続く
2016年07月12日
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品目別に見ると、主要工業製品は同2.8%減(前月:同7.8%減)とマイナス幅が縮小した。家電製品(同5.8%増)と自動車・部品(同5.1%増)が増加したものの、電子製品(同12.4%減)と機械・装置(同9.6%減)は引き続き減少している。また鉱業・燃料は同31.6%減(前月:同40.8%減)と引き続き大幅減少となった。農産品・加工品は同4.2%減(前月:同0.6%減)と、コメ(同24.2%減)やゴム(同9.0%減)、砂糖(同11.3%減)を中心に低下した。

品目別に見ると、全体の約4割を占める機械・輸送用機器が同4.3%増(前月:同4.2%増)と、電気・電子機器を中心に堅調を維持した。しかし、原油や天然ガスなどの鉱物性燃料は同23.6%減(前月:同1.0%減)と輸出数量の落ち込みを受けて再び二桁減となった。また拡大傾向が続いていた動植物性油脂は同3.7%減(前月:8.7%増)とパーム油を中心に大きく低下し、5ヵ月ぶりのマイナスとなった。

品目別に見ると、輸出全体の約2割を占める電話・部品が同8.1%増と堅調な伸びを示したものの、前月の同18.2%増からは低下した。また織物・衣類が同4.4%増(前月:同6.8%増)、コンピュータ・電子部品が同2.5%増(前月:同13.0%増)と、それぞれ伸び悩んだ。一方、履物については同7.0%増(前月:同3.7%増)と上昇した。
資本別に見ると、輸出全体の7割を占める外資系企業が同1.8%増(前月:4.1%増)、地場企業が同3.1%増(前月:同3.4%増)とそれぞれ低下した。

品目別に見ると、その他製品は同37.0%増(前月:同11.9%減)と上昇した。5月は英EU離脱を問う国民投票を控え、安全資産である金の輸出増(同436.7%増)が全体を大きく押上げた。一方、輸出(石油と再輸出除く)全体の約3割を占める電子製品は同6.0%減(前月:同7.4%減)とマイナス幅が縮小した。二桁増の好調が続いていた通信機器(同0.8%減)が落ち込んだほか、主力のIC(同4.8%減)やPC(同26.0%減)、PC部品(同26.0%減)、ダイオード・トランジスタ(同7.4%減)など幅広い品目が低迷している。また同じく全体の約3割を占める化学製品は同4.1%減(前月:同2.7%減)と、医薬品が伸び悩んで低下した。

品目別に見ると、衣服(同41.7%減)、化学(同31.3%減)の大幅な減少が続くなか、輸出全体の約5割を占める電子製品が同4.0%減(前月:同1.9%増)、その他電子機器が同16.9%減(前月:同8.7%増)とそれぞれマイナスに転じた。また一次産品では、農産品(同29.4%減)と鉱業製品(同13.6%減)がそれぞれ前月に続いて二桁減となった。一方、木工品(同57.2%増)は二桁増の好調が続いており、また機械・輸送用機器(同16.9%増)とその他製造品(同1.2%増)は2ヵ月のプラスを記録した。
(2016年07月12日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
2008年 日本生命保険相互会社入社
2012年 ニッセイ基礎研究所へ
2014年 アジア新興国の経済調査を担当
2018年8月より現職
斉藤 誠のレポート
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