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- 貿易統計16年4月~貿易黒字は拡大したが、輸出は弱い動き
2016年05月23日
1.貿易黒字(季節調整値)は拡大が続く
財務省が5月23日に公表した貿易統計によると、16年4月の貿易収支は8,235億円と3ヵ月連続の黒字となり、事前の市場予想(QUICK集計:5,350億円、当社予想は6,386億円)を上回った。輸出は前年比▲10.1%(3月:同▲6.8%)と減少幅が拡大したが、輸入が前年比▲23.3%(3月:同▲14.9%)と輸出の減少幅を大きく上回ったため、貿易収支は前年に比べ8,818億円の大幅改善となった。
輸出の内訳を数量、価格に分けてみると、輸出数量が前年比▲4.6%(3月:同▲1.0%)、輸出価格が前年比▲5.7%(3月:同▲5.8%)、輸入の内訳は、輸入数量が前年比▲7.5%(3月:同5.2%)、輸入価格が前年比▲17.1%(3月:同▲19.1%)であった。
輸出の内訳を数量、価格に分けてみると、輸出数量が前年比▲4.6%(3月:同▲1.0%)、輸出価格が前年比▲5.7%(3月:同▲5.8%)、輸入の内訳は、輸入数量が前年比▲7.5%(3月:同5.2%)、輸入価格が前年比▲17.1%(3月:同▲19.1%)であった。
季節調整済の貿易収支は4,266億円の黒字となり、3月の2,953億円から黒字幅が拡大した。輸出入ともに減少したが、輸入の減少幅(前月比▲3.6%)が輸出の減少幅(前月比▲1.2%)を上回ったことが貿易黒字の拡大に寄与した。貿易収支は15年11月に東日本大震災以降初の黒字となった後、輸入の減少を主因として黒字幅の拡大傾向が続いている。
2.主要3地域向けの輸出が減少
4月の輸出数量指数を地域別に見ると、米国向けが前年比▲11.3%(3月:同▲6.1%)、EU向けが前年比9.1%(3月:同13.6%)、アジア向けが前年比▲1.2%(3月:同0.0%)となった。
季節調整値(当研究所による試算値)では、米国向けが前月比▲2.2%(3月:同▲0.3%)、EU向けが前月比▲5.0%(3月:同6.1%)、アジア向けが前月比▲1.7%(3月:同0.5%)、全体では前月比▲2.1%(3月:同0.3%)となった。4月の輸出数量指数(季節調整値)を1-3月期と比べると、EU向けは0.6%高い水準にあり底堅さを維持しているが、米国向けは▲1.6%、アジア向けは▲1.4%低い水準となっている。海外経済の減速に加え、年明け以降の円高の影響が顕在化しつつある。
なお、景気減速の影響が特に懸念されている中国向けの輸出数量指数(季節調整値)は15年10-12月期が前期比1.8%、16年1-3月期が同1.3%と2四半期連続で上昇した後、4月は前月比0.7%(4月の水準は1-3月期よりも1.0%高い)となり、持ち直しの動きを続けている。
4月の輸入数量指数(当研究所による季節調整値)は前月比▲4.4%(3月:同1.8%)となった。個人消費を中心とした国内需要の弱さを反映し輸入は低調に推移しており、このことも貿易黒字拡大の一因となっている。
季節調整値(当研究所による試算値)では、米国向けが前月比▲2.2%(3月:同▲0.3%)、EU向けが前月比▲5.0%(3月:同6.1%)、アジア向けが前月比▲1.7%(3月:同0.5%)、全体では前月比▲2.1%(3月:同0.3%)となった。4月の輸出数量指数(季節調整値)を1-3月期と比べると、EU向けは0.6%高い水準にあり底堅さを維持しているが、米国向けは▲1.6%、アジア向けは▲1.4%低い水準となっている。海外経済の減速に加え、年明け以降の円高の影響が顕在化しつつある。
なお、景気減速の影響が特に懸念されている中国向けの輸出数量指数(季節調整値)は15年10-12月期が前期比1.8%、16年1-3月期が同1.3%と2四半期連続で上昇した後、4月は前月比0.7%(4月の水準は1-3月期よりも1.0%高い)となり、持ち直しの動きを続けている。
4月の輸入数量指数(当研究所による季節調整値)は前月比▲4.4%(3月:同1.8%)となった。個人消費を中心とした国内需要の弱さを反映し輸入は低調に推移しており、このことも貿易黒字拡大の一因となっている。
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経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
(2016年05月23日「経済・金融フラッシュ」)
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