- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 日本経済 >
- 消費者物価(全国16年3月)~コアCPI上昇率は秋頃までマイナスが続く公算
2016年04月28日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
1.コアCPI上昇率は5ヵ月ぶりのマイナス

一方、円高の影響などから輸入物価ベースの食料品は前年比で大幅な下落となっているが、消費者物価の食料(生鮮食品を除く)は前年比2.0%(2月:同2.1%)と高止まりが続いている。
コアCPI上昇率を寄与度分解すると、エネルギーが▲1.23%(2月:▲1.00%)、食料(生鮮食品を除く)が0.45%(2月:0.48%)、その他が0.49%(2月:0.52%)であった。
2.物価上昇品目数の割合は7割近い
3.全国コアCPIは秋頃までマイナスが続く公算
16年4月の東京都区部のコアCPIは前年比▲0.3%(3月:前年比▲0.3%)と4ヵ月連続の下落となり、下落率は前月と変わらなかった。事前の市場予想(QUICK集計:▲0.3%、当社予想は▲0.4%)通りの結果であった。
ガソリン(3月:前年比▲21.6%→4月:同▲16.0%)、灯油(3月:前年比▲17.6%→4月:同▲17.5%)の下落幅は縮小したが、電気代(3月:前年比▲13.7%→4月:同▲14.7%)、ガス代(3月:前年比▲17.8%→4月:同▲19.4%)の下落幅が拡大したため、エネルギー価格の下落率は3月の前年比▲16.0%から同▲16.4%へと若干拡大した。
また、高めの伸びが続いていた食料(生鮮食品を除く)は前年比1.4%となり、3月の同1.9%から上昇幅が大きく縮小した。円高の影響から輸入物価ベースの食料品は前年比で大幅な下落が続いており、消費者物価ベースの食料は先行きも伸び率の鈍化傾向が続く可能性が高い。
ガソリン(3月:前年比▲21.6%→4月:同▲16.0%)、灯油(3月:前年比▲17.6%→4月:同▲17.5%)の下落幅は縮小したが、電気代(3月:前年比▲13.7%→4月:同▲14.7%)、ガス代(3月:前年比▲17.8%→4月:同▲19.4%)の下落幅が拡大したため、エネルギー価格の下落率は3月の前年比▲16.0%から同▲16.4%へと若干拡大した。
また、高めの伸びが続いていた食料(生鮮食品を除く)は前年比1.4%となり、3月の同1.9%から上昇幅が大きく縮小した。円高の影響から輸入物価ベースの食料品は前年比で大幅な下落が続いており、消費者物価ベースの食料は先行きも伸び率の鈍化傾向が続く可能性が高い。
東京都区部のコアCPI上昇率のうち、エネルギーによる寄与が▲1.10%(3月:▲1.08%)、食料(生鮮食品を除く)が0.29%(3月:0.39%)、その他が0.51%(3月:0.50%)であった。
原油価格(ドバイ)は1月中旬の1バレル=20ドル台半ばから足もとでは40ドル台前半まで持ち直しているが、電気代、ガス代は原油価格下落の影響が遅れて反映されるため、エネルギー価格の下落ペースは16年夏場にかけて加速することが見込まれる。また、エネルギー以外の物価上昇圧力は依然強いものの、年明け以降に進んだ円高に伴う輸入物価下落の影響で食料品やその他の上昇率も先行きは頭打ちとなる可能性が高い。現時点では、全国のコアCPI上昇率は秋頃までマイナス圏の推移が続くと予想している。
原油価格(ドバイ)は1月中旬の1バレル=20ドル台半ばから足もとでは40ドル台前半まで持ち直しているが、電気代、ガス代は原油価格下落の影響が遅れて反映されるため、エネルギー価格の下落ペースは16年夏場にかけて加速することが見込まれる。また、エネルギー以外の物価上昇圧力は依然強いものの、年明け以降に進んだ円高に伴う輸入物価下落の影響で食料品やその他の上昇率も先行きは頭打ちとなる可能性が高い。現時点では、全国のコアCPI上昇率は秋頃までマイナス圏の推移が続くと予想している。
(2016年04月28日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1836
経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
斎藤 太郎のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/05/02 | 雇用関連統計25年3月-失業率、有効求人倍率ともに横ばい圏内の動きが続く | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
2025/04/30 | 2025年1-3月期の実質GDP~前期比▲0.2%(年率▲0.9%)を予測~ | 斎藤 太郎 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/04/30 | 鉱工業生産25年3月-1-3月期は4四半期ぶりの減産、トランプ関税の影響で4月以降も低迷が続く見込み | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
2025/04/18 | 消費者物価(全国25年3月)-コアCPI上昇率は25年度入り後も3%台が続く公算 | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年05月02日
曲線にはどんな種類があって、どう社会に役立っているのか(その11)-螺旋と渦巻の実例- -
2025年05月02日
ネットでの誹謗中傷-ネット上における許されない発言とは? -
2025年05月02日
雇用関連統計25年3月-失業率、有効求人倍率ともに横ばい圏内の動きが続く -
2025年05月01日
日本を米国車が走りまわる日-掃除機は「でかくてがさつ」から脱却- -
2025年05月01日
米個人所得・消費支出(25年3月)-個人消費(前月比)が上振れする一方、PCE価格指数(前月比)は総合、コアともに横這い
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【消費者物価(全国16年3月)~コアCPI上昇率は秋頃までマイナスが続く公算】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
消費者物価(全国16年3月)~コアCPI上昇率は秋頃までマイナスが続く公算のレポート Topへ