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- 企業物価指数(2015年5月)~輸入物価は円安で2ヵ月ぶりにプラス
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■見出し
・企業物価(増税分除く)は下落幅が縮小
・輸入物価は円安で2ヵ月ぶりにプラス
・最終財は夏場以降上昇基調が明確に
・国内企業物価は下落幅が縮小へ
■要旨
6月10日に日本銀行から発表された企業物価指数によると、2015年5月の国内企業物価指数は前年比▲2.1%(4月:同▲2.1%)と事前の市場予想(QUICK集計:前年比▲2.2%)を上回った。消費増税の影響を除いたベースでは、前年比▲2.0%(4月:同▲2.2%)と年初から▲2%を超える下落幅が続いている。
5月の輸入物価(円ベース)は前年比▲8.3%(4月:同▲9.8%)と、原油安の一巡に伴い下落幅が縮小している。前月比では0.8%(4月:同▲2.1%)と2ヵ月ぶりにプラスとなった。原油価格、非鉄金属の下落が一服したほか、ドル円相場(中心相場/月末)は4月の118.5円/ドルから5月に123.8円/ドルまで円安が進行したことが影響している。
5月の需要段階別指数(国内品+輸入品)をみると、素原材料が前年比▲23.6%(4月:同▲25.1%)、中間材が前年比▲1.9%(4月:同▲2.1%)、最終財が前年比1.2%(4月:同0.8%)となった。先行きについては、原油安の一巡や円安に伴い素原材料の下落幅が縮小する中、内需の回復を背景に価格転嫁が進むことから、夏場以降最終財の上昇基調が明確なものとなるだろう。
国内企業物価の下落幅は、年初をピークに縮小傾向にある。国際商品市況は足元で原油安が一巡しているほか、非鉄金属などの下落には一服感もみられる。また、為替については、米国が利上げに向かう中、日本銀行による量的・質的金融緩和が継続されるため、緩やかな円安が続くだろう。こうした下で、国内景気は緩やかな回復を続けることで需給が改善し、価格転嫁の進展もあり、国内企業物価は下落幅を縮小することが見込まれる。
(2015年06月10日「経済・金融フラッシュ」)
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