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1.現状:3%台まで回復
韓国銀行(中央銀行)は10月25日、2013年7-9月期の実質国内総生産(GDP)を公表した。前期比(季節調整済)で+1.1%となり、前期の4-6月期(同+1.1%)と同じ伸び率を維持した(図表1)。前年同月比では+3.3%(前期:同+2.3%)となり、前期より改善し、2011年10-12月期以来の3%超を記録、回復が続いていることが明らかになった(図表2)。
2.まだ油断できない状況
今回発表されたGDP統計からは韓国経済の回復傾向が続いていることが明らかになったが、油断できない状況から脱却したとは言い難い。特に輸出主導経済である韓国にとっては、輸出の改善が見られていない点に注意が必要だろう。
月次の輸出動向を見ても、今年下半期はASEAN向けや米国向け、欧州向けの輸出が伸び悩んでいる。今のところ製造業の成長は加速しているものの、肝心の輸出は伸びておらず、在庫が積みあがっている状況である。
国内の状況については、朴政権が「経済民主化」政策を進めているが、財政的な制約から積極的なバラマキ政策が実施できなくなっている。足もとでは支持率低下も見られ、このまま「経済民主化」への期待が剥落すれば、消費に悪影響を及ぼす可能性も否定できない。
企業に関しては、サムスン電子の7-9月期の営業利益が4-6月期に続き過去最高を記録するなど、半導体産業は好調である。しかし、改善が見られない業種もまだ多く、海外経済の回復が明確にならなければ、投資が活性化せず、腰折れする可能性がある。
足もとの成長率は回復しているが、まだ最悪期を脱した段階であり、安定成長には至っておらず、今後、輸出の改善がなければ成長率の回復ペースも維持できなくなる可能性は高いだろう。
(2013年10月25日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1818
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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