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- 雇用関連統計12年12月~雇用情勢は依然厳しいが、春以降は改善へ
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■見出し
・失業率は前月から0.1ポイント上昇の4.2%
・有効求人倍率は5ヵ月ぶりの改善
■introduction
総務省が2月1日に公表した労働力調査によると、12年12月の完全失業率は前月から0.1ポイント上昇し4.2%となった。労働力人口が前月から▲26万人と大きく減少する中、就業者数が▲35万人とそれを上回る減少となったため、失業者数は前月に比べ7万人の増加となった。また、失業者の内訳を求職理由別(季節調整値)に見ると、雇用契約の満了や勤め先や事業の都合といった非自発的な離職による者が前月に比べ15万人増の111万人となり、失業者全体に占める割合も4割近くへと急上昇した。
労働市場から退出する人が増えたにもかかわらず失業者が増加し、失業の中身も深刻化している。失業率の悪化は0.1ポイントにとどまったが、内容的には非常に厳しいものと捉えることができる。
景気はすでに底入れしている可能性が高いが、雇用関連指標は景気の遅行指標であるため、これまでの景気悪化の影響がここにきて顕在化したものとみられる。
厚生労働省が2月1日に公表した一般職業紹介状況によると、12年12月の有効求人倍率は前月から0.02ポイント上昇の0.82倍となった。有効求職者数が前月比▲0.6%と4ヵ月ぶりに減少する一方、有効求人数が前月比1.5%と2ヵ月連続で増加した。
有効求人倍率の先行指標である新規求人倍率は前月から横ばいの1.31倍となった。新規求人数は前月比0.5%と小幅ながら3ヵ月連続で増加した。
12年12月の雇用関連統計は「労働力調査」が非常に厳しい内容となる一方、「一般職業紹介状況」ではすでに労働需給の悪化に歯止めがかかりつつあることを示すものとなった。雇用情勢は景気に遅れて動く傾向があるため、しばらくは厳しい状況が続くことが見込まれるが、足もとの景気底打ちを反映し、春以降には徐々に改善の動きが明確となる可能性が高いだろう。
(2013年02月01日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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