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- アジア新興国・地域の経済見通し~輸出が低迷するなか、内需の二極化が鮮明に
2012年09月21日
- 先進国の経済停滞が長期化しており、それに伴ってアジア新興国・地域全体の成長率も低迷が続いている。主因は経済大国であるインドの停滞である。ただし、経済規模が小さい国・地域には底堅く成長しているところも存在しており、成長率の二極化が鮮明になっている。
- 貿易に関しては、ほぼすべてのアジア新興国・地域で輸出が低迷している。一方、内需の伸び率には違いが現れており、これが成長率の二極化の原因と言える。実際、韓国・台湾の個人消費が冴えない一方、ASEAN諸国は良好である。投資についても同様の傾向が見られる。インドはアジアの中では高い成長を示しているが、過去の高成長と比較すると減速傾向にある。
- 金融市場を見ると、株価も二極化していることが分かる。実体経済が不調な韓国・台湾・インドは株価のパフォーマンスも悪いが、ASEAN諸国のパフォーマンスは良い。
- 先行きのリスクとしては、海外投資家のリスク許容度の低下などから一時的にアジア全体で株価や為替が下落することが考えられる。また、海外経済の低迷が長期化することもリスクである。輸出依存度の高い韓国や台湾だけでなく、底堅い成長を維持しているASEAN諸国においても、輸出の不調が続けば内需への悪影響が無視できなくなる可能性が高い。また、ASEAN諸国では政府主導で内需を喚起している国も多いため、政府の信任や政策実行力が低下することで成長が抑制されてしまうこともリスク要因として挙げられる。
(2012年09月21日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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