2011年07月29日

2011年4-6月期の実質GDP~前期比▲0.3%(年率▲1.4%)を予測

経済研究部 経済調査部長 斎藤 太郎

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  1. 8/15に内閣府から公表される2011年4-6月期の実質GDPは、前期比▲0.3%(前期比年率▲1.4%)と3四半期連続のマイナス成長になったと推計される。マイナス成長の主因は、震災に伴う国内生産の落ち込みが輸出の急減をもたらし、外需が大幅なマイナス(前期比・寄与度▲0.7%)となったことである。
  2. 国内民間需要は、民間消費、住宅投資は減少したものの、設備投資が小幅ながら増加に転じ、震災後に取り崩された在庫を復元する動きから民間在庫が成長率を大きく押し上げたため、前期比ほぼ横ばいとなった。公的需要は、災害救助、がれき処理、仮設住宅の建設などから、政府消費、公的固定資本形成がともに高い伸びとなった。
  3. 日本経済は、東日本大震災の影響から、1-3月期に続き4-6月期もマイナス成長となったが、月次ベースではすでに回復の動きが明確となっている。当研究所が推計している月次GDPは2011年3月に前月比▲6.4%と過去最大の落ち込みとなった後、4月が同1.5%、5月が同2.2%、6月が同2.6%と急ピッチで回復を続けており、6月の月次GDPは4-6月期の平均よりも2.4%高い水準となっている。
  4. 7-9月期は4-6月期とは逆に高い発射台からスタートすることもあり、4四半期ぶりのプラス成長となる可能性が高いだろう。
  5. 名目GDPは前期比▲1.0%(前期比年率▲4.0%)と3四半期連続の減少となり、実質の伸びを大きく下回ると予測する。



実質GDP成長率の推移

(2011年07月29日「Weekly エコノミスト・レター」)

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経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴
  • ・ 1992年:日本生命保険相互会社
    ・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
    ・ 2019年8月より現職

    ・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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