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- 雇用関連統計10年8月~雇用情勢は緩やかな改善が続く
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■見出し
・失業率は2ヵ月連続で改善
・有効求人倍率は緩やかな改善が続く
■introduction
総務省が10月1日に公表した労働力調査によると、8月の完全失業率は前月から0.1ポイント低下し5.1%となった(ロイター集計事前予想:5.2%、当社予想は5.1%)。失業率は3月以降4ヵ月連続で上昇した後、7月、8月と2ヵ月連続で低下した。
雇用者数は前年に比べ2万人減(7月:同3万人増)と2ヵ月ぶりの減少となったが、季節調整済値で見ると3ヵ月で増加した。
失業者数は337万人、前年に比べ24万人の減少となり、3ヵ月連続で前年の水準を下回った。失業者の内訳を求職理由別に見ると、非自発的な離職による者が前年に比べ25万人の減少(うち勤め先都合が19万人減)、自己都合による者が1万人の減少となっている。失業者数が減少していることに加え、失業の中身も深刻度は若干緩和されている。
雇用者数の内訳を産業別に見ると、製造業の雇用者数は前年に比べ▲6万人減(7月:▲8万人減)と19ヵ月連続で減少した。減少幅はピーク時(09年8月の▲106万人減)に比べると大きく縮小しているが、鉱工業生産がここにきて足踏み状態となっているため、製造業の雇用が増加に転じるまでにはまだ時間がかかるだろう。また、公共工事削減の影響などから建設業が前年に比べ▲28万人減と7ヵ月連続で減少し、7月の同▲15万人減から減少幅が拡大した。一方、医療・福祉は前年に比べ23万人の増加(7月:同11万人増)となり、引き続き雇用の下支え役となっている。
従業員規模別には、30人以上の規模では全て増加したが、1~29人の中小企業の雇用者数は前年に比べ▲55万人の減少と6ヵ月連続で減少した。減少幅は7月の同▲29万人から大きく拡大しており、明るさが見え始めた大企業に比べ中小企業では依然厳しい状況が続いている。
(2010年10月01日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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