- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融政策 >
- 企業金融支援の拡充:社債買入れ、上限1兆円・A格以上
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■introduction
・企業金融支援の拡充: 社債買入れ、上限1兆円・A格以上
日銀は18,19日に行われた決定会合で、政策金利は0.1%と据え置きを決定したが、企業金融の支援と金融市場の安定を図るために以下の策を打ち出した。
残存1年以内・格付けがA格相当以上の社債を上限1兆円買い取るほか、社債やCPなどを担保として金融機関に低利資金を貸し出す制度についても、期限を9月末まで延長するなど企業金融支援策の拡充を打ち出した。
打ち出された内容は事前に報道されたもので予想の範囲内だったのではないか。今回少し意外だったのは、「期間3ヶ月のやや長めの資金を低利・安定的に供給」というターム物への言及があったこと。「これからターム物の上昇に対してはきっちりオペを打ちますよ」ということを強調したかったのか。
総裁会見などから見るに、今後の金融政策は、ゼロ金利にすることなく(付利で最低限の0.1%の金利を確保)、その上で潤沢な資金供給、イールドやスプレッドをつぶし、企業への資金供給の円滑化を図る。白川総裁が言う民間債務の買取などの「異例の策」は損失問題もあり、できるだけ小出しにとどめるというスタンスだろう。
ただし、速すぎる景気悪化の中、特にこれから急速な雇用悪化が避けられない状況で、また動けていない政府からも追加策を求められることになり、国債買い入れ増額やCP、社債の買入れ要件の緩和、買入れ額増額などの「次の異例」を日銀はすぐに模索せざるをえなくなるだろう。
(2009年02月19日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1837
- ・ 1992年 :日本生命保険相互会社
・ 1995年 :ニッセイ基礎研究所へ
・ 2021年から現職
・ 早稲田大学・政治経済学部(2004年度~2006年度・2008年度)、上智大学・経済学部(2006年度~2014年度)非常勤講師を兼務
・ 2015年 参議院予算委員会調査室 客員調査員
矢嶋 康次のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/03/21 | トランプ1.0のトラウマ-不確実性の高まりが世界の活動を止める | 矢嶋 康次 | 研究員の眼 |
2025/02/12 | 供給制約をどう乗り切るか-設備投資の増勢を維持するために | 矢嶋 康次 | 研究員の眼 |
2025/02/07 | 日米貿易交渉の課題-第一次トランプ政権時代の教訓 | 矢嶋 康次 | 基礎研マンスリー |
2024/12/03 | 日米貿易交渉の課題-第一次トランプ政権時代の教訓 | 矢嶋 康次 | 研究員の眼 |
新着記事
-
2025年05月02日
金利がある世界での資本コスト -
2025年05月02日
保険型投資商品等の利回りは、良好だったが(~2023 欧州)-4年通算ではインフレ率より低い。(EIOPAの報告書の紹介) -
2025年05月02日
曲線にはどんな種類があって、どう社会に役立っているのか(その11)-螺旋と渦巻の実例- -
2025年05月02日
ネットでの誹謗中傷-ネット上における許されない発言とは? -
2025年05月02日
雇用関連統計25年3月-失業率、有効求人倍率ともに横ばい圏内の動きが続く
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【企業金融支援の拡充:社債買入れ、上限1兆円・A格以上】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
企業金融支援の拡充:社債買入れ、上限1兆円・A格以上のレポート Topへ