2008年01月11日

武藤副総裁講演(1/10)~金利水準を徐々に調整していく方向にある

総合政策研究部 常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任 矢嶋 康次

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■見出し

・講演:好循環シナリオは維持、金融政策の方向は利上げ
・会見:緩和的な状態にある金利水準を徐々に調整していく方向にある

■introduction

武藤副総裁が1/10日に公演・会見を行った(札幌市金融経済懇談会)。
現状の日本経済に関し「生産、所得、支出の好循環メカニズムが一時的に弱まっている」、世界経済に関し「ダウンサイドリスクが増している」と指摘したが、先行きについては、「緩やかな拡大基調を維持するというのが、現時点の私どもの判断だ」と回復シナリオは維持されているとの見方を示した。
その上で今後の金融政策について「日本経済が物価安定のもとで持続的な拡大を続けると判断されるのであれば、現在極めて緩和的な状況にある金利水準を徐々に調整していく方向にある」と、市場で一部始めている利下げ観測は、現時点では検討する段階にはないとした。
日銀は12月金融政策決定会合(19・20日)で景気判断を約3年振り(04年11月以来)に下方修正した。日銀は、政策の方向性は利上げとしているが、当面の利上げの可能性はほぼなくなっている。
今後の金融政策上の焦点は、各国の利下げサイクル同様に、日銀も利下げに追い込まれるような局面にならないかどうか。1月決定会合(21・22日)は10月の展望レポートの中間評価が行われる。各国とも下振れリスクが高まっておりどの程度下方修正されるのか注目だ。

(2008年01月11日「経済・金融フラッシュ」)

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総合政策研究部   常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任

矢嶋 康次 (やじま やすひで)

研究・専門分野
金融財政政策、日本経済 

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