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- 9月ECB政策理事会~市場の不確実性に配慮、据え置きを決定
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■見出し
・政策金利は4%で据え置き
・景気に対するリスクはバランスから下振れに変更
・市場の信頼感の回復が追加利上げの条件
■introduction
欧州中央銀行(以下、ECB)は6日に開催された9月の政策理事会で政策金利を4%で据え置くことを決めた。
前回8月2日の理事会後の記者懇談会で、トリシェ総裁は25bpの利上げを事実上予告、9日にサブプライム問題に端を発する信用収縮が表面化した後も、利上げと見送りの選択肢を確保してきたが、市場の流動性不足が続いたことで、見送りを余儀なくされた形だ。
トリシェ総裁は、今回の記者会見冒頭の声明の中で、「経済のファンダメンタルズは強く、中期見通しは良好」で、「物価のリスクは上振れ」という従来の判断を維持しながら、政策金利を据え置いた理由を、「金融市場のボラティリティーとリスクの再評価によって不確実性が高まって」いるため、「追加の金融政策の決定にあたっては、さらに情報を収集し、新たなデータを分析することが適切である」と説明した。
また、「物価の安定の維持」がECBの金融政策の一義的な目標である点に変わりがないが、市場の信頼感が失われ、ボラティリティーが高まっている現在のような状況では、市場の機能の正常化も重要な責務になっているという考えを示した。
ECBは6日に臨時の公開市場操作を通じて短期金融市場に422億5000万ユーロを供給し、来週、期間3カ月の変動金利、上限金額を定めない、追加的な流動性供給を行うことも発表した。
(2007年09月07日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1832
- ・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職
・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員
伊藤 さゆりのレポート
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