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■見出し
・「強く警戒」のキーワードで6月の利上げを予告
・6月の利上げ後も、追加利上げに含みを残す見込み
■introduction
・インフレ・リスクへのスタンスは「強く警戒」に引き上げ
欧州中央銀行(以下、ECB)は5月10日に政策理事会を開催、政策金利を3.75%で据え置くことを決定した。トリシェ総裁は、政策理事会後の記者会見で、インフレ・リスクへのスタンスを先月の「特に注視(monitor very closely)」から「強く警戒(strong vigilance)」に引き上げ、次回6月6日開催の理事会での25bpの利上げを事実上予告した。「強く警戒」は、トリシェ総裁が用いてきた3種類のキーワードの最も強く、2005年12月以降、合計7回の利上げの全てのケースで、利上げの前月に用いられてきた。
・賃金インフレのリスクへの警戒を強化
今回のトリシェ総裁のコメントにおける注目点は以下のようなものであり、インフレの上振れリスク、特に、労働市場を通じたインフレ圧力への警戒を一段と強めている様子が伺われた。
・過剰流動性に対しても強い警戒を維持
賃金インフレと共に警戒している過剰流動性に関しては、「マネーサプライや民間部門向け貸出の伸びの鈍化」など利上げの効果が見られるとしながら、「流動性はあらゆる尺度で見て潤沢」という評価は変えず、「中期的な物価安定を脅かすリスク」として、“require very careful monitoring”という強い警戒を維持した。
・利上げバイアス継続のベースは強めの経済指標
こうした判断の根拠となっているのは、以下のように経済指標が強さを保っていることがある。
(2007年05月11日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1832
- ・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職
・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員
伊藤 さゆりのレポート
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