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ただ、問題はこうした理念や考え方が、「行動」に転化できるかどうかである。特に営利が目的である企業にとっては、収益の見込みがなければ動けない。高齢期の多様な人生の創造をサポートするといったビンテージ・ソサエティの理念と個々の事業との接点で悩まれてしまうことが想像される。したがって、ビンテージ・ソサエティの実現に向けては、より丁寧な指導(政策誘導)が求められることになろう。この点については、今後検討が深められるものと思われるが、その中で一つ提案したいことがある。それは「表彰制度」の創設である。ビンテージ・ソサエティ実現に貢献する企業を国が表彰することである。儲かるかどうか見通しが立たない事業には、どうしても企業は二の足を踏む。何らかそうした企業の背中を押す手立てが必要であろう。企業に対して、環境問題や女性活躍等、社会的テーマに関する表彰制度はいくつか確認できるが、高齢化の課題解決に資する取り組みを表彰する制度は見当たらない。表彰すること自体は特段大きな予算もかからないことである。非常に素朴な提案ではあるが、望ましい未来の姿であるビンテージ・ソサエティを真に実現していくためにも、一策として検討されることを期待したい。
1 前田展弘「ビンテージ・ソサエティとは-長寿時代の新たな産業振興政策への期待」(研究員の眼、2015/12/15)
http://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=51558
2 報告書の詳細は経済産業省HPを参照こと
http://www.meti.go.jp/press/2015/03/20160330002/20160330002.html
(2016年04月15日「研究員の眼」)
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                                        生活研究部 上席研究員・ジェロントロジー推進室兼任
前田 展弘 (まえだ のぶひろ)
                                研究・専門分野
                                ジェロントロジー(高齢社会総合研究学)、超高齢社会・市場、高齢者就労問題、ライフデザイン、高齢者のQOL/well-being
                            
03-3512-1878
- 2004年   :ニッセイ基礎研究所入社
2009年度~ :東京大学高齢社会総合研究機構 客員研究員
2022年度~ :東京大学未来ビジョン研究センター 客員研究員
2021年度~ :慶応義塾大学ファイナンシャル・ジェロントロジー研究センター 訪問研究員
2023年度 :早稲田大学Life Redesign College(人生100年時代の大学)講師
内閣官房「一億総活躍社会(意見交換会)」招聘(2015年度)
厚生労働省「生涯現役地域づくり普及促進事業有識者委員会」委員長(2024年度)
財務省財務総合政策研究所「高齢社会における選択と集中に関する研究会」委員(2013年度)、「企業の投資戦略に関する研究会」招聘(2016年度)
東京都「東京のグランドデザイン検討委員会」招聘(2015年度)
神奈川県「かながわ人生100歳時代ネットワーク/生涯現役マルチライフ推進プロジェクト」代表(2017-19年度)
生協総研「2050研究会(2050年未来社会構想)」委員(2013-14、16-18年度)
全労済協会「2025年の生活保障と日本社会の構想研究会」委員(2014-15年度)
一般社団法人未来社会共創センター 理事(全体事業統括担当、2020年度~)
一般社団法人定年後研究所 理事(2018-19年度)
【資格】 高齢社会エキスパート(総合)※特別認定者、MBA 他 
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