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2019年10月09日開催

基調講演

第4次産業革命下の世界と日本

講師 慶應義塾大学 名誉教授|東洋大学 教授 竹中 平蔵氏

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2019年10月9日「新たな局面を迎えた世界経済と日本の未来」をテーマにニッセイ基礎研シンポジウムを開催しました。

基調講演では慶應義塾大学 名誉教授|東洋大学 教授 竹中 平蔵氏をお招きして「第4次産業革命下の世界と日本」をテーマに講演頂きました。


《概要

はじめに

平成の時代に起きた変化

  • ビッグデータと人工知能を使って都市空間全体を管理・運営する時代になっている。
  • 平成はインターネット発展の時代であり、デジタルなものが入ってきて、大きな変化を経験した時代であった。
  • 米国の人口は3割、英国は1.5割増加したが、日本の人口は横ばいで、人材の取り込み競争に背を向けてきた。
  • 日本の労働時間は平均で20%短くなり、家計貯蓄率も先進国の中で低位となり、長時間働き、多くを貯蓄する国ではなくなった。
  • 最後の10年にものすごい変化が起こった。ドイツ政府が2011年にインダストーリー4.0を提唱し中小企業の多い製造業の生産性を高めるためのIOTのキャンペーンを始め、現在の第4次産業革命につながっている。

人工知能(AI)の技術進歩

  • 2012年にはAI分野にて画期的な発明とされるディープラーニングが実用化された。今や日本の出入国管理は成田、羽田空港ではAIがパスポートの写真と認証するところまできている。
  • オックスフォード大学のマイケル・オズボーン氏が10年後に今ある仕事のうち47%の仕事がなくなると予言した。多くの仕事がAIに奪われるという面もあるが、人間はクリエイティブな仕事に専念できるようになり世界の生産性が40%上がるとのコンサルタントファームの試算もある。
  • 中国では2014年に人工知能を使った信用スコアがはじまり、アリババ、テンセントが先んじている。日本では2016年にようやく成長戦略に第4次産業革命が明示された。日本企業は部分的な技術は進んでいるが、プラットフォーマーは育っておらず、社会の認識も危機感も不足している。
  • この8年間で1番の成長産業はライドシェアである。日本にも可能とする技術はあるものの、規制により阻まれている。スーパーシティを橋頭堡として立ち上げていかなければならない。

第4次産業革命と米中の対立

  • 第4次産業革命がなければ米中もここまで対立していなかっただろう。
  • 中国の国家資本主義は大量のデータを集めることができ、米国にとって看過できない状況となった。米国型資本主義と国家資本主義の対立である。
  • 第4次産業革命には、トゥキュディデスの罠と呼ばれる新興国と覇権国との対立という問題がある。

日本の成長戦略

  • グーグル、アップル、アリババ、テンセント等のプラットフォーマーが台頭するが、日本では対抗できるプラットフォーマーはなかなか出てこない。
  • デジタル技術の便利さと個人情報の関係を両立させることは重要な課題で、データ利用を進めるには信頼が必要である。プラットフォーマーの台頭に対して、欧州は個人情報の保護を前面に出す。日本ではようやくプラットフォーマーを巡る戦略会議がはじまったところである。
  • 安倍政権の評価は様々だが、株価を2.5倍にし、有効求人倍率も上がった。物価上昇が定着し、インバウンド観光客も4倍となった。
  • 羽田空港の国際化により東京へのアクセスを高め都市開発が進んだことから、経済、生活、文化、といった指標からなる都市ランキングでは世界で3位まで上がった。ロンドンは五輪の後にニューヨークを越え現在の1位となった。東京五輪は都市力を高めるチャンスである。
  • IR(統合型リゾート施設)も1兆円単位の大きなプロジェクトになる。大阪では万博後にIRを呼び込みたく計画を進め、横浜も手を上げている。IRとスーパーシティを重ねるところが出てきて欲しい。

【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

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