2023年05月02日

EUソルベンシーIIの動向-EIOPAが2024年適用のUFR(終局フォワードレート)水準を公表-

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4―適用UFR水準の過去からの推移と今後の想定

1|過去からの推移
現在の方法論に従って計算された過去の毎年の計算結果と実際の適用UFR水準の推移は、ユーロの場合(日本円も同じ)に、以下の通りとなっている。
過去からの推移
2|今後の想定
昨年度のレポートの中で、「(ユーロの適用UFRについて)現在の低金利環境が継続し、さらに各国のインフレ目標等に変更がないと仮定した場合には、現在の方法論に基づく「計算されたUFR」はさらに毎年低下していくことになる。この場合、次にUFR水準が引き下げられるのは2025年で、その水準は3.30%と想定されることになる。」と述べていたが、実際には2022年の実質金利が▲6.67%と大きなマイナス水準であったことから、早くも2024年から3.30%に引き下げられることになった。

ユーロの2025年の適用UFRについては、2023年の実質金利が2022年並みの低水準となれば、引き続き0.15%引き下げられる可能性があるが、そうでない場合には2024年の適用UFRが据え置かれる可能性が高いことになる。

5―まとめ

5―まとめ

以上、今回のレポートでは、EIOPAが公表したUFRの計算結果と2024年の適用UFR水準について報告した。

UFRを巡る状況については、IAISにおけるICSのLTFRの検討との関係もあり、利害関係者の関心も高いことから、引き続き注視して、その動向をフォローしていくこととしたい。

(2023年05月02日「保険・年金フォーカス」)

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