2021年10月22日

欧州委員会がソルベンシーIIのレビューに関する提案を公表-提案の具体的内容とその影響-

中村 亮一

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■要旨

ソルベンシーIIのレビューに関しては、2019年2月11日のEC(欧州委員会)からの助言要請を受けて、EIOPAが検討を行い、2020年12月17日に、ECにソルベンシーIIレビューに関する最終意見を提出した。

ECは、EIOPAの最終意見を踏まえて、検討を進めてきたが、2021年9月22日に、影響評価を含めて、ソルベンシーIIのレビューの提案内容を公表した。これに対して、EIOPA、欧州の保険業界団体であるInsurance Europe(保険ヨーロッパ)、AMICE(欧州相互保険会社及び保険協同組合協会)等が、意見表明を行っている。

前回のレポートでは、ECの提案の全体概要と、今回の提案を受けてのEIOPA、Insurance Europe及びAMICEの意見表明、さらに保険業界とは異なるスタンスからの批判的な意見を有する欧州議会議員等の関係団体等の意見の内容を報告した。

今回のレポートでは、ECの提案の具体的な内容について報告する。

■目次

1―はじめに
2―ECの提案の背景と目的等
  1|今回のレビューの背景
  2|今回のレビューの目的
  3|今回のレビューを受けて
  4|今回のレビューによる目的の達成
  5|ソルベンシーII指令と委任規則
  6|結論
3―再建と破綻処理指令
4―ソルベンシーIIレビューの改正内容等
  1|株式投資
  2|リスクマージン
  3|ボラティリティ調整
  4|マッチング調整
  5|分散化効果
  6|補外
  7|金利リスクに対する資本要件の計算
  8|標準式におけるリスク軽減手法の更なる認識
  9|国家援助互換保証又は再保険の効果
  10|住宅ローン
  11|比例性
  12|マクロプルーデンス政策
5―ソルベンシーIIレビュー外の継続作業
  1|保険保証制度(IGS)
  2|パンデミックやその他の大規模な破壊的事象における保険の役割
6―今回の提案による全体的な影響とECによるその評価
7―まとめ
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中村 亮一

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