- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 年金 >
- 年金資産運用 >
- 受託者責任とステークホルダーの理解
2021年03月03日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
公的年金でも企業年金でも、運用の担当者だけでなく年金制度の全般は受託者として、加入者や保険料負担者、受給者等に対し誠実・公平に運営されることが望まれる。善管注意義務といった概念を持ち出されることもあるし、米国のERISA法に基づくものと同様のフィデュシャリーデューティーが求められている。
際限のないように見える受託者責任であるが、運用に関するものに限らず、基本的な範囲は、加入者等ステークホルダーに求められるものまでと考えるのが良いだろう。ただし、年金制度全般において、一般的なステークホルダーは運用だけでなく年金の専門家でもない。時には、通俗的な誤った認識を正すことも必要であるし、理解されないものについて自制することも必要である。
通俗的な認識を正す例としては、無リスクでリターンを得るのが難しいことを知ってもらう必要がある。理解されないものの例としては、高度過ぎる運用でブラックボックス化させないことである。加入者等の理解によって、運用内容に差が生じるのである。
年金担当者の独りよがりでなく、一般的な常識を有するステークホルダーに概ね理解し納得してもらえるものまでが、受託者責任の範囲なのだと考えられる。
際限のないように見える受託者責任であるが、運用に関するものに限らず、基本的な範囲は、加入者等ステークホルダーに求められるものまでと考えるのが良いだろう。ただし、年金制度全般において、一般的なステークホルダーは運用だけでなく年金の専門家でもない。時には、通俗的な誤った認識を正すことも必要であるし、理解されないものについて自制することも必要である。
通俗的な認識を正す例としては、無リスクでリターンを得るのが難しいことを知ってもらう必要がある。理解されないものの例としては、高度過ぎる運用でブラックボックス化させないことである。加入者等の理解によって、運用内容に差が生じるのである。
年金担当者の独りよがりでなく、一般的な常識を有するステークホルダーに概ね理解し納得してもらえるものまでが、受託者責任の範囲なのだと考えられる。
(2021年03月03日「ニッセイ年金ストラテジー」)
このレポートの関連カテゴリ
新着記事
-
2025年10月30日
潜在成長率は変えられる-日本経済の本当の可能性 -
2025年10月30日
米FOMC(25年10月)-市場予想通り、政策金利を▲0.25%引き下げ。バランスシート縮小を12月1日で終了することも決定 -
2025年10月30日
試練の5年に踏み出す中国(後編)-「第15次五カ年計画」建議にみる、中国のこれからの針路 -
2025年10月30日
米国で進む中間期の選挙区割り変更-26年の中間選挙を見据え、与野党の攻防が激化 -
2025年10月29日
生活習慣病リスクを高める飲酒の現状と改善に向けた対策~男女の飲酒習慣の違いに着目して
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【受託者責任とステークホルダーの理解】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
受託者責任とステークホルダーの理解のレポート Topへ










