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- 男性の育休取得について考える-月単位の育休で人事評価にも影響?「生産性」の評価を
2019年11月05日
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■要旨
■目次
1――国家公務員男性は原則1ヶ月以上の育休へ、今後は企業等の人事評価制度の見直しも?
2――「量」や「質」に加えて「生産性」という評価軸を、女性だけでなく男性も、介護との
両立でも必要な視点
3――夫の育休で世帯年収は減少しても、妻が就業継続すれば生涯所得は約2億円の差
- 政府は国家公務員の男性職員に原則1ヶ月以上の育児休業の取得を促す方針だ。男性の月単位の育休が広がれば、人事評価制度が見直されるのではないか。現在、育休や時短を利用しやすい状況にはなったが、その後の処遇は「あくまで自己責任で」あり、マミートラックにはまる女性や育休復帰後に左遷された男性の話も聞く。その要因には、相変わらず、労働時間の長さが評価につながりやすいことがあるのではないか。
- 労働時間を確保できて「量」をこなせることや、時間をかけて「質」を上げることも重要だが「生産性」という評価軸も必要だ。これは女性だけでなく男性も、育児との両立だけでなく介護にも重要な観点だ。今、介護の状況は様変わりしており、同居の主たる介護者は嫁から息子へと移っている。両立は育児中の女性だけの問題ではない。
- 夫の育休は妻と比べて世帯収入の減少につながりやすいが、妻の就業継続につながれば世帯の生涯所得は約2億円のプラスに成り得る。本来は育休の選択は自由であるべきだが、多様な人材が活躍できる環境整備に向けては、マジョリティーである男性の働き方を大きく変えることが効果的だ。過渡期の現在では、個別の事情に配慮しながらも、まずは大きく舵を切ることが求められる。
■目次
1――国家公務員男性は原則1ヶ月以上の育休へ、今後は企業等の人事評価制度の見直しも?
2――「量」や「質」に加えて「生産性」という評価軸を、女性だけでなく男性も、介護との
両立でも必要な視点
3――夫の育休で世帯年収は減少しても、妻が就業継続すれば生涯所得は約2億円の差
(2019年11月05日「基礎研レター」)
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経歴
- プロフィール
【職歴】
2001年 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ入社
2007年 独立行政法人日本学術振興会特別研究員(統計科学)採用
2010年 ニッセイ基礎研究所 生活研究部門
2021年7月より現職
・神奈川県「神奈川なでしこブランドアドバイザリー委員会」委員(2013年~2019年)
・内閣府「統計委員会」専門委員(2013年~2015年)
・総務省「速報性のある包括的な消費関連指標の在り方に関する研究会」委員(2016~2017年)
・東京都「東京都監理団体経営目標評価制度に係る評価委員会」委員(2017年~2021年)
・東京都「東京都立図書館協議会」委員(2019年~2023年)
・総務省「統計委員会」臨時委員(2019年~2023年)
・経済産業省「産業構造審議会」臨時委員(2022年~)
・総務省「統計委員会」委員(2023年~)
【加入団体等】
日本マーケティング・サイエンス学会、日本消費者行動研究学会、
生命保険経営学会、日本行動計量学会、Psychometric Society
久我 尚子のレポート
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