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感染症の現状 (前編)-医療関連感染の防止には何が必要か?
保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員 篠原 拓也
人類は、有史以前から、常に感染症と闘ってきた。現在も、その脅威から完全に逃れることはできていない。
感染症は、医療が対象とする病気の一種ではあるが、感染症への対処はその範疇にはとどまらない。予防時やアウトブレイク時の各種対策は、自然災害のものと似ており、社会制度、社会心理など、幅広い領域に関係してくる。
本稿と次稿の2回に渡り、感染症の現状を概観していく。読者が、感染症の予防や拡大防止の対策に興味を持っていただければ幸いである。
■目次
0――はじめに
1――「感染」とは
1|「感染する」とは
2|感染症の原因微生物は、コッホの4原則を満たすことにより実証される
3|感染には、感染源、感染経路、宿主の3つの要素がある
2――感染症の分類
1|感染原因となる微生物として、さまざまな細菌やウイルスがいる
2|感染の由来には、環境、動物、ヒトがある
3|感染が起きる場所によって市中感染と医療関連感染に分けられる
3――医療関連感染の拡大防止策
1|医療関連感染における予防は、標準予防策が中心
2|抗菌薬治療は、初期治療、最適治療、予防投与の治療段階に分けられる
3|感染症の予防には、ワクチンが利用される
4――医療関連感染の細菌
1|黄色ブドウ球菌は、臨床上もっとも重要な細菌
2|腸管出血性大腸菌O-157は、わずか50個ほどの菌が体内に入っただけで発症する
3|緑膿菌は、水が溜まる場所に繁殖しやすい
4|クロストリディオイデス・ディフィシルは、病院内の患者の下痢の原因として
一般的
5――医療関連感染の予防
1|標準予防策では、予防策の具体的な判断が医療従事者に委ねられている
2|病室での感染の防止策は、病気の原因菌や感染経路によって異なる
3|手術部位感染の発生率は年々低下している
4|透析室では、感染拡大防止のために感染者を免疫のある人で取り囲むことも
行われる
6――医療関連感染の耐性菌対策
1|政府は薬剤耐性対策のアクションプランで、6つの目標と2020年の成果指標を
掲げている
2|医療施設には、「アンチバイオグラム」の作成と活用が求められる
7――おわりに
保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員
篠原 拓也 (しのはら たくや)
研究・専門分野
保険商品・計理、共済計理人・コンサルティング業務
03-3512-1823
- 【職歴】
1992年 日本生命保険相互会社入社
2014年 ニッセイ基礎研究所へ
【加入団体等】
・日本アクチュアリー会 正会員
公式SNSアカウント
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