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- 貿易統計18年5月-原油高の影響で貿易収支は赤字化も、輸出は底堅さを維持
2018年06月18日
1.貿易収支(季節調整値)が赤字化
財務省が6月18日に公表した貿易統計によると、18年5月の貿易収支は▲5,783億円の赤字となり、事前の市場予想(QUICK集計:▲2,500億円、当社予想は▲3,694億円)を下回る結果となった。輸出は前年比8.1%(4月:同7.8%)と堅調を維持したが、原油高の影響などから輸入が前年比14.0%(4月:同5.9%)と前月から伸びを大きく高めたため、貿易収支は前年に比べ▲3,739億円の悪化となった。
輸出の内訳を数量、価格に分けてみると、輸出数量が前年比4.2%(4月:同4.6%)、輸出価格が前年比3.7%(4月:同3.0%)、輸入の内訳は、輸入数量が前年比6.3%(4月:同1.5%)、輸入価格が前年比7.2%(4月:同4.4%)であった。
輸出の内訳を数量、価格に分けてみると、輸出数量が前年比4.2%(4月:同4.6%)、輸出価格が前年比3.7%(4月:同3.0%)、輸入の内訳は、輸入数量が前年比6.3%(4月:同1.5%)、輸入価格が前年比7.2%(4月:同4.4%)であった。
原数値の貿易収支が赤字となったのは、5月はGWに伴う生産停止の影響でもともと輸出量が少ないという季節性の影響もあるが、季節調整済の貿易収支も▲2,968億円の赤字(4月は4,539億円の黒字)となり、貿易収支は実態とし赤字化したと判断される。
2.輸出は底堅さを維持
5月の輸出数量指数を地域別に見ると、米国向けが前年比6.8%(4月:同7.1%)、EU向けが前年比▲6.4%(4月:同6.7%)、アジア向けが前年比4.6%(4月:同1.1%)となった。
季節調整値(当研究所による試算値)では、米国向けが前月比2.2%(4月:同2.7%)、EU向けが前月比▲8.9%(4月:同12.5%)、アジア向けが前月比2.5%(4月:同▲1.4%)、全体では前月比▲2.0%(4月:同4.0%)となった。4、5月の平均を1-3月期と比べると、アジア向けは0.0%の横ばいだが、米国向けが5.9%、EU向けが3.8%、全体が2.2%高くなっている。自動車が堅調を維持していることに加え、年明け以降弱めの動きとなっていたIT関連も持ち直しつつあり、輸出は全体として底堅さを維持している。
一方、輸入数量指数(当研究所による季節調整値)の4、5月平均は1-3月期を1.3%上回っているが、輸出の伸びは下回っている。原油高の影響で金額ベースの貿易収支は大きく悪化しているが、実質(数量)ベースの貿易収支は改善傾向が続いている。GDP統計の外需は1-3月期(前期比・寄与度0.1%)に続き4-6月期も実質成長率の押し上げ要因となる可能性が高いだろう。
季節調整値(当研究所による試算値)では、米国向けが前月比2.2%(4月:同2.7%)、EU向けが前月比▲8.9%(4月:同12.5%)、アジア向けが前月比2.5%(4月:同▲1.4%)、全体では前月比▲2.0%(4月:同4.0%)となった。4、5月の平均を1-3月期と比べると、アジア向けは0.0%の横ばいだが、米国向けが5.9%、EU向けが3.8%、全体が2.2%高くなっている。自動車が堅調を維持していることに加え、年明け以降弱めの動きとなっていたIT関連も持ち直しつつあり、輸出は全体として底堅さを維持している。
一方、輸入数量指数(当研究所による季節調整値)の4、5月平均は1-3月期を1.3%上回っているが、輸出の伸びは下回っている。原油高の影響で金額ベースの貿易収支は大きく悪化しているが、実質(数量)ベースの貿易収支は改善傾向が続いている。GDP統計の外需は1-3月期(前期比・寄与度0.1%)に続き4-6月期も実質成長率の押し上げ要因となる可能性が高いだろう。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
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経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
(2018年06月18日「経済・金融フラッシュ」)
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