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- 中国経済:景気指標の総点検(2017年春季号)~回復の動きに死角は無いか?
2017年03月31日
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■要旨
- 最近の金融マーケットを概観すると、景気が持ち直す中で、株価はじり高基調、人民元は足元で下げ止まり、住宅価格は最高値更新も上昇ピッチは緩やかになってきた。そして、中国人民銀行は基準金利の調整を見送ったものの、オペ金利を小幅に上昇させている(下左図)。
- 供給面を点検すると、17年1-2月期の工業生産は前年同期比6.3%増と前四半期を0.3ポイント上回った。3月の動きは未反映だが1-3月期の成長率は前四半期(6.8%)を上回る可能性が高い。また、製造業と非製造業のPMIはともに前四半期とほぼ同水準で推移している。
- 需要面を点検すると、個人消費は小型車減税の縮小を受けて自動車販売が落ち込んだことなどから、17年1-3月期の成長率を押し下げる要因となる可能性が高い。一方、投資はインフラ関連や不動産開発が好調なため成長率を押し上げる要因となる可能性が高い。また、輸出は持ち直したものの輸入はそれ以上に急増、成長率を押し下げる要因となるだろう。
- その他の重要指標を点検すると、17年1-2月期の電力消費量と貨物輸送量はともに前四半期を上回る伸びを示しており、2月の工業生産者出荷価格が前年同月比7.8%上昇するなどデフレは解消に向かっている。なお、通貨供給量(M2)が政府見通しの「12%前後」を下回っていることは不安材料だが、投資に結び付くことの多い中長期融資は伸びを高めている。
- 景気の動きを総合的に見るため、ニッセイ基礎研究所で開発した回帰モデルを用いて実質GDP成長率を推計したところ、17年1・2月はともに前年同月比6.9%増となっており、16年10-12月期の同6.8%増(実績)を若干上回る水準で推移している(下右図)。
■目次
1.最近の金融マーケット
2.景気10指標の点検
1|供給面の3指標
2|需要面の3指標
3|その他の重要な4指標
3.総合指標の点検
1|景気評価点は「横ばい」領域
2|李克強指数は上昇、修正後には陰りも
3|経済成長率に換算すれば6.9%へ回復!
1.最近の金融マーケット
2.景気10指標の点検
1|供給面の3指標
2|需要面の3指標
3|その他の重要な4指標
3.総合指標の点検
1|景気評価点は「横ばい」領域
2|李克強指数は上昇、修正後には陰りも
3|経済成長率に換算すれば6.9%へ回復!
(2017年03月31日「Weekly エコノミスト・レター」)
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