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- 消費者物価(全国16年6月)~コアCPI上昇率は年末頃までマイナスが継続する公算
2016年07月29日
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1.コアCPI上昇率は4ヵ月連続のマイナス

一方、テレビ(5月:前年比5.2%→6月:同▲7.8%)、ビデオレコーダー(5月:前年比1.0%→6月:同▲4.8%)などの教養娯楽用耐久財が5月の前年比5.3%から同▲2.8%へと下落に転じたことがコアCPIを押し下げた。
コアCPI上昇率を寄与度分解すると、エネルギーが▲1.08%(5月:▲1.17%)、食料(生鮮食品を除く)が0.30%(5月:0.30%)、その他が0.28%(5月:0.48%)であった。
2.物価下落品目数の増加が続く

上昇品目数の割合は引き続き6割を超えているものの、3ヵ月連続で低下しており、東京都区部では上昇品目数の割合が5割を下回っている(6月:48.8%→7月:49.1%)。サービス価格は比較的底堅いが、円高に伴う輸入物価下落の影響を受けて、食料品、耐久財などの財の値下がりが目立つようになっている。
3.コアCPIは年末頃までマイナスが継続する公算
16年7月の東京都区部のコアCPIは前年比▲0.4%(6月:前年比▲0.5%)と7ヵ月連続の下落となり、下落率は前月から0.1ポイント縮小した。事前の市場予想(QUICK集計:▲0.5%、当社予想も▲0.5%)を上回る結果であった。
ガソリン(6月:前年比▲15.6%→7月:同▲15.6%)、灯油(6月:前年比▲19.1%→7月:同▲19.0%)の下落幅は前月とほぼ変わらなかったが、電気代(6月:前年比▲13.3%→7月:同▲11.4%)、ガス代(6月:前年比▲18.6%→7月:同▲16.7%)の下落幅が縮小したため、エネルギー価格の下落率は6月の前年比▲15.3%から同▲13.7%へと縮小した。
東京都区部のコアCPI上昇率のうち、エネルギーによる寄与が▲0.86%(6月:▲1.00%)、食料(生鮮食品を除く)が0.23%(6月:0.25%)、その他が0.24%(6月:0.26%)であった。
原油価格(ドバイ)は1月中旬の1バレル=20ドル台半ばから一時50ドル近くまで上昇したが、足もとでは40ドル割れとなっており、円高の進行も加わりガソリン店頭価格は3週連続で値下がりしている(資源エネルギー庁調べ)。円高を主因とした輸入物価下落による物価下押し圧力は当面継続する可能性が高く、コアCPI上昇率は年末頃までマイナス圏の推移が続くことが予想される。
なお、消費者物価指数は来月(全国16年7月分、東京都区部16年8月分)から2015年基準での公表が開始され、2016年1月以降の上昇率が現行の2010年基準から2015年基準へと改定される。前回、前々回の基準改定では上昇率が過去に遡って大きく下方修正されたが、今回の基準改定に伴う修正は小幅にとどまるとみられる。
ガソリン(6月:前年比▲15.6%→7月:同▲15.6%)、灯油(6月:前年比▲19.1%→7月:同▲19.0%)の下落幅は前月とほぼ変わらなかったが、電気代(6月:前年比▲13.3%→7月:同▲11.4%)、ガス代(6月:前年比▲18.6%→7月:同▲16.7%)の下落幅が縮小したため、エネルギー価格の下落率は6月の前年比▲15.3%から同▲13.7%へと縮小した。
東京都区部のコアCPI上昇率のうち、エネルギーによる寄与が▲0.86%(6月:▲1.00%)、食料(生鮮食品を除く)が0.23%(6月:0.25%)、その他が0.24%(6月:0.26%)であった。
原油価格(ドバイ)は1月中旬の1バレル=20ドル台半ばから一時50ドル近くまで上昇したが、足もとでは40ドル割れとなっており、円高の進行も加わりガソリン店頭価格は3週連続で値下がりしている(資源エネルギー庁調べ)。円高を主因とした輸入物価下落による物価下押し圧力は当面継続する可能性が高く、コアCPI上昇率は年末頃までマイナス圏の推移が続くことが予想される。
なお、消費者物価指数は来月(全国16年7月分、東京都区部16年8月分)から2015年基準での公表が開始され、2016年1月以降の上昇率が現行の2010年基準から2015年基準へと改定される。前回、前々回の基準改定では上昇率が過去に遡って大きく下方修正されたが、今回の基準改定に伴う修正は小幅にとどまるとみられる。
(2016年07月29日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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