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- 中国経済:景気指標の総点検と今後の注目点(2016年春季号)
2016年03月25日
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1.中国経済を供給面から点検すると
2.一方、需要面を点検すると

また、投資の動きを見る上で代表的な指標となるのが固定資産投資(除く農家の投資)である。固定資産投資は毎月発表されるものの、1月からの年度累計で公表されるため、時系列の動きは読み取り難い。そこで、当研究所で月次に直したのが図表-5である。1-2月期は前年同期比10.2%増と12月の同7.8%増(推定1)を上回り、取り敢えず減速に歯止めが掛かった。但し、依然10%を挟んだ一進一退のボックス圏内に納まっている。
1 中国では、統計方法の改定時に新基準で計測した過去の数値を公表しない場合が多く、また1月からの年度累計で公表される統計も多い。本稿では、四半期毎の伸びを見るためなどの目的で、ニッセイ基礎研究所で中国国家統計局などが公表したデータを元に推定した数値を掲載している。またその場合には“(推定)”と付して公表された数値と区別している。
3.その他の景気指標を点検すると
【貨物輸送量】
また、貨物輸送量の注目度も高い。鉄道貨物輸送は李克強首相が重視していたとされる指標だが、全体の過半を占める石炭がエネルギー改革の中で構造的減少、景気とかけ離れた動きを示す恐れある。そこで、貨物輸送量に占める比率が高い道路貨物輸送を主に見ることとしている(図表-9)。道路貨物輸送は電子商取引(EC)など新たな消費活動の動きを反映するという利点もある。足元の動きを見ると、1-2月期の道路貨物輸送は前年同期比1.3%増と昨年の同6.4%増から急減速した。前年同期に高い伸びを示した反動もあるため、景気悪化の兆候だとするのは時期尚早だが、好調だったECに陰りがでた可能性も排除できないため、4月発表の3月統計に注目したい(図表-10)。
また、貨物輸送量の注目度も高い。鉄道貨物輸送は李克強首相が重視していたとされる指標だが、全体の過半を占める石炭がエネルギー改革の中で構造的減少、景気とかけ離れた動きを示す恐れある。そこで、貨物輸送量に占める比率が高い道路貨物輸送を主に見ることとしている(図表-9)。道路貨物輸送は電子商取引(EC)など新たな消費活動の動きを反映するという利点もある。足元の動きを見ると、1-2月期の道路貨物輸送は前年同期比1.3%増と昨年の同6.4%増から急減速した。前年同期に高い伸びを示した反動もあるため、景気悪化の兆候だとするのは時期尚早だが、好調だったECに陰りがでた可能性も排除できないため、4月発表の3月統計に注目したい(図表-10)。
(2016年03月25日「Weekly エコノミスト・レター」)
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