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- 景気ウォッチャー調査(15年9月)~足踏み感は解消されず
■見出し
・景気の現状判断DI:足踏み感は解消されず
・夏のボーナス、中国の景気減速、物価上昇が重石
・先行きは2ヵ月ぶりに改善
■要旨
10月8日に内閣府から公表された15年9月の景気ウォッチャー調査によると、景気の現状判断DIは47.5となり、前月を▲1.8ポイント下回った。参考系列として公表されている季節調整値は48.7と前月を▲1.3ポイント下回り、2ヵ月ぶりの悪化となった。
景況感は夏場にかけて足踏みが続いていたが、原数値が好不況の分かれ目である50を2ヵ月連続で下回るなど停滞感を一段と強めている。中国経済の情勢や円安による物価上昇への懸念が景況感の下押し要因となったようだ。8月の調査結果ではシルバーウィークによる需要拡大への期待が高まっていたが、個人消費の弱さや円安による材料価格の高騰などを懸念するコメントも依然多く、景況感の悪化に歯止めをかけるまでには至らなかった。
先行き判断DIは49.1と前月から0.9ポイント上昇し、2ヵ月ぶりに改善した。参考系列として公表されている季節調整値は49.1と前月から0.6ポイントの上昇となった。先行き判断DIの内訳をみると、家計動向関連が前月差1.5ポイント、企業動向関連が同▲0.4ポイント、雇用関連が同▲0.4ポイントとなった。
個人消費の低迷が続く中、株高やインバウンド効果が景況感の下支えとなっていたが、中国経済の情勢や円安による物価上昇への懸念が足かせとなり、停滞感を一段と強めている。個人消費は、名目賃金の伸び悩みなどから本格的な回復に向かうことは期待できず、景況感を押し上げるまでには至らないだろう。根強い中国景気の先行き不安や物価上昇への懸念が収束しない限り、景況感は一段と悪化する可能性があることに注意が必要だ。
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岡 圭佑
研究・専門分野
(2015年10月09日「経済・金融フラッシュ」)
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