- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 日本経済 >
- 在庫調整圧力をどうみるか~乖離するGDP統計と鉱工業指数の在庫動向
2015年07月10日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
- 2015年1-3月期のGDP統計では民間在庫品増加が成長率を大きく押し上げたが、民間在庫品増加はマイナスを続けており、在庫残高の積み上がりを意味しない。
- GDP統計の実質民間在庫残高を試算すると、リーマン・ショック時をピークに減少傾向が続いており、足もとでは現行統計が存在する1994年以降では最低水準にある。GDP統計からは在庫調整圧力の高さは窺えない。
- 一方、鉱工業指数の在庫指数は2014年1-3月期から5四半期連続で上昇し、在庫循環図上も「在庫積み上がり局面」が続くなど、在庫調整圧力の高さを示すものとなっている。
- 鉱工業指数の在庫はGDP統計の製品在庫にほぼ対応し連動性も高いが、2014年度入り後両者の動きが大きく乖離している。GDP速報の民間在庫品増加は確報値で上方修正される傾向があり、現時点で速報値となっている2014年4-6月期以降は過小推計の可能性がある。
- 2015年4-6月期の鉱工業生産は在庫の高止まりを背景に3四半期ぶりの減産となることが確実となっている。製品在庫については実態として在庫調整圧力の強い状態が続いていると判断される。2015年末に公表予定のGDP統計の確報値では、2014年度の民間在庫品増加が上方修正される可能性があるだろう。
(2015年07月10日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1836
経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
斎藤 太郎のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/03/21 | 消費者物価(全国25年2月)-コアCPI上昇率は当面3%前後で推移する見通し | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
2025/03/19 | 貿易統計25年2月-関税引き上げ前の駆け込みもあり、貿易収支(季節調整値)が黒字に | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
2025/03/11 | 2024~2026年度経済見通し-24年10-12月期GDP2次速報後改定 | 斎藤 太郎 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/03/07 | 可処分所得を下押しする家計負担の増加-インフレ下で求められるブラケットクリープへの対応 | 斎藤 太郎 | 基礎研マンスリー |
新着記事
-
2025年03月21日
東南アジア経済の見通し~景気は堅調維持、米通商政策が下振れリスクに -
2025年03月21日
勤務間インターバル制度は日本に定着するのか?~労働時間の適正化と「働きたい人が働ける環境」のバランスを考える~ -
2025年03月21日
医療DXの現状 -
2025年03月21日
英国雇用関連統計(25年2月)-給与(中央値)伸び率は5.0%まで低下 -
2025年03月21日
宇宙天気現象に関するリスク-太陽フレアなどのピークに入っている今日この頃
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【在庫調整圧力をどうみるか~乖離するGDP統計と鉱工業指数の在庫動向】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
在庫調整圧力をどうみるか~乖離するGDP統計と鉱工業指数の在庫動向のレポート Topへ