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消費者物価(全国15年3月)~コアCPI上昇率(消費税の影響を除く)は再びプラスも、先行きはマイナスに
経済研究部 経済調査部長 斎藤 太郎
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■見出し
・コアCPI上昇率(消費税の影響を除く)は再びプラスに
・コアCPIのマイナス転化は5月が有力
■要旨
総務省が5月1日に公表した消費者物価指数によると、15年3月の消費者物価(全国、生鮮食品を除く総合、以下コアCPI)は前年比2.2%(2月:同2.0%)となり、上昇率は前月から0.2ポイント拡大した。コアCPIを消費税の影響を除くベースでみると、14年4月の前年比1.5%をピークに鈍化傾向が続き15年2月には同0.0%となったが、ガソリン価格の下げ止まりなどから3月は前年比0.2%と再びプラスとなった。
3月の全国コアCPI上昇率は15年2月の前年比0.0%(消費税の影響を除く)から同0.2%とプラスに戻ったが、4月以降は再び伸び率が低下する公算が大きい。
燃料費調整が市場価格に遅れて反映される電気代、ガス代は前年比で上昇を続けており、電気代は5月から再生可能エネルギー促進賦課金の上乗せにより押し上げられる。ただし、電気代の燃料費調整単価は4月から低下しており、ガス代も5月から値下げされる見込みである。コアCPI上昇率に対するエネルギーの寄与度は夏場にかけて▲1%近くまで拡大する可能性が高い。
食料品を中心に円安によるコスト増を価格転嫁する動きが一部に見られるものの、エネルギー価格下落の影響がそれを大きく上回っており、需給要因による物価押し上げも当面期待できない。今後の為替、原油価格の動向にもよるが、現時点ではコアCPI上昇率がマイナスに転じる可能性が高いのは15年5月と予想している。
一方、物価上昇がある程度継続してきたこと、政府・日銀がデフレ脱却を経済の最優先課題とし、消費税率引き上げ時には価格転嫁を促進する政策をとったことなどから、かつてに比べて企業の値上げに対する抵抗感は小さくなっている。このため、原材料価格の上昇に対応した価格転嫁は比較的スムーズに行われる可能性が高い。また、15年度入り後は原油価格下落の効果もあり、潜在成長率を上回る成長が続くことが見込まれるため、需給面からの物価押し上げ圧力も徐々に高まっていくだろう。現時点では、コアCPI上昇率は15年末までには再びプラスとなり、原油価格下落の影響が一巡する16年度入り後には1%台まで伸びを高めると予想している。
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(2015年05月01日「経済・金融フラッシュ」)
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