- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 米国経済 >
- 【10月米雇用統計】21.4万人と予想を下回ったものの巡航ペースの改善が持続
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
【要旨】
1.結果の概要:予想を下回ったものの、9ヵ月連続で月間20万人超の増加。
11月7日、米国労働省(BLS)は10月の雇用統計を公表した。10月の非農業部門雇用者数は前月対比で+21.4万人の増加1(前月改定値:+25.6人)となり、増加幅は前月から減少、市場予想の+23.5万人(Bloomberg集計の中央値、以下同様)も下回った(後掲図表3参照)。8月の数値が20万人超に上方修正された結果、月間20万人超の増加は9ヵ月連続となった。
一方、失業率は5.8%(前月:5.9%、市場予想:5.9%)と市場の横ばい予想に反し、前月から0.1%ポイント低下した(後掲図表6参照)。労働参加率2は62.8%(前月:62.7%)と前月から0.1%ポイント上昇した。
2.結果の評価:雇用増は巡航ペースの改善が持続、失業率の低下はポジティブ。
10月の雇用増は、9ヵ月連続で20万人超のペースとなった。前月の雇用増が大きかったため、伸びが鈍化してみえるが、後述するように前月の数値は0.8万人上方修正されており、この分を加えると、雇用の伸びは過去3ヵ月平均+22.4万人、9月までの過去1年の平均+22.2万人の水準に近く、巡航ペースの回復トレンドが持続していると判断できる。
失業率は5.8%、小数第1位まで取ると5.76%と5.7%に近い数値まで低下した。前月比で低下するのは4ヶ月連続で、年初からの低下幅は0.8%ポイントとなった。一方、注目される労働参加率は、就業者数の大幅な増加を反映して前月から上昇した(詳細は後述)。このことは、今月の失業率低下が職探しを諦めて労働市場から退出した影響ではないことを示しており、ポジティブに評価できる。
次に、時間当たり賃金伸び率は、前年同期比+2.0%(前月+2.0%、市場予想:+2.1%)と、前月から横ばい、改善を見込んでいた市場予想を下回った。賃金の伸びは依然として緩慢な状況が続いており、雇用増などの労働市場の「量」の改善が、賃金などの「質」の改善に結びついていない状況を示している。
(2014年11月10日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1824
- 【職歴】
1991年 日本生命保険相互会社入社
1999年 NLI International Inc.(米国)
2004年 ニッセイアセットマネジメント株式会社
2008年 公益財団法人 国際金融情報センター
2014年10月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
窪谷 浩のレポート
新着記事
-
2025年05月02日
金利がある世界での資本コスト -
2025年05月02日
保険型投資商品等の利回りは、良好だったが(~2023 欧州)-4年通算ではインフレ率より低い。(EIOPAの報告書の紹介) -
2025年05月02日
曲線にはどんな種類があって、どう社会に役立っているのか(その11)-螺旋と渦巻の実例- -
2025年05月02日
ネットでの誹謗中傷-ネット上における許されない発言とは? -
2025年05月02日
雇用関連統計25年3月-失業率、有効求人倍率ともに横ばい圏内の動きが続く
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【【10月米雇用統計】21.4万人と予想を下回ったものの巡航ペースの改善が持続】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
【10月米雇用統計】21.4万人と予想を下回ったものの巡航ペースの改善が持続のレポート Topへ