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- 貿易統計08年7月~輸入価格急上昇による貿易黒字の縮小続く
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■見出し
・貿易黒字の大幅減少続く
・米国向け以外の自動車輸出が好調
■introduction
財務省が8月21日に公表した貿易統計によると、7月の貿易黒字は911億円、前年比▲86.6%の大幅減少となり、市場予想(ロイター集計:2,525億円、当社予想は▲129億円)を下回った。
輸出数量が前年比7.4%(6月:同▲1.4%)とプラスに転じ、輸出価格も前年比0.6%(6月:同▲0.4%)と11ヵ月ぶりにプラスとなったため、輸出金額は前年比8.1%(6月:同▲1.8%)と2ヵ月ぶりの増加となった。
輸入数量は前年比▲1.4%(6月:同0.9%)と2ヵ月ぶりに減少したが、原油高の影響で輸入価格が前年比19.9%(6月:同15.3%)と非常に高い伸びとなったため、輸入金額は前年比18.2%と6月の同16.4%から伸びがさらに加速した。
貿易黒字の季節調整値は6月に前月比▲72.8%と急減した後、7月は同31.3%と持ち直したが、依然として黒字の水準は非常に低い(1,724億円)。原油価格(WTI先物)はこのところ上昇が一服しており、8月の平均値(8/1~8/20)は117ドル/バレルと7月の133ドルに比べて15ドル程度低くなっている。ただし、通関(入着)ベースの原油価格はWTIに遅れて動く傾向があるため、8月も高止まりとなる可能性が高い。7月は輸出が持ち直したため、かろうじて貿易黒字を維持したが、輸出は基調としては減速傾向が続いていると見られる。輸出が再び減速に向かえば、8月以降貿易収支が赤字化する可能性もあるだろう。
(2008年08月21日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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