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福井総裁講演(12/3)~ダウンサイドリスクは、海外で多少高まっている
総合政策研究部 研究理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任 矢嶋 康次
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■見出し
・講演:中小企業の弱さに言及
・会見:ダウンサイドリスクは、海外で多少高まっている
■introduction
福井総裁の講演・記者会見が12/3日に行われた(名古屋での各界代表者との懇談)。
景気の現状について「わが国経済は、好調な企業部門に比べると、家計部門の改善テンポが緩慢な状態が続いているが、全体としてみれば、緩やかな拡大を続けている」、先行きの景気は「海外経済や国際金融資本市場などの不確実な要因はあるものの、物価安定のもとで持続的な成長を実現していく可能性が高い」と述べた。
「ダウンサイドリスクは目先、特に海外において多少高まっている。しかし、長い目でみてやはり金利が低すぎることに伴うアップサイドリスクは十分ある」と述べ、メインシナリオを続ける蓋然性が高いと判断される場合には、政策金利を引き上げていく姿勢を改めて示した。
景気は足元下振れリスクが増大している。原油などの資源高騰でコストプッシュインフレが進む中、中小企業では交易条件がいっそう悪化している。賃金はいっこうに伸びず、雇用環境も改善のペースが落ち、消費者心理も悪化が顕著になってきた。また建築基準法改正に伴う住宅投資の落ち込みが続き、企業の建設投資など他部門への波及も見られ始めるなどしてきている。
特にいままで景気のエンジンとなっていた企業部門に先行き懸念が強まっている。12月3日公表の07年7-9月期の法人企業統計では、全産業の経常利益は前年同期比0.7%減と02年4-6月期以来、21四半期ぶりに前年を下回った。
今回の講演・会見でも従来の政策金利を引き上げていく姿勢を示してはいるが、海外経済・金融市場、中小企業の弱さなど下振れリスクへの言及が多くなってきており、全体的には、景気認識・利上げトーンは相当弱まってきている。
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