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2007年02月23日
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- 次回3月8日のECBの政策理事会では、年内に4%への追加利上げを行なうという市場の観測を裏付ける材料が提供されるか否かが最大の注目点だ。
- 3月の利上げで政策金利が3.75%になるが、これは中立範囲の下限となり、ユーロ高を勘案すると金融は引締めに転じる。「政策金利は低い」、「金融政策は緩和的」という従来の評価になんらかの修正が加えられる可能性がある。ECBの成長率見通しは、10~12月期の成長加速と足もとの底堅さを反映して上方修正されよう。
- 物価見通しは、2%を下回る安定水準に下方修正されそうだが、インフレ・リスクへのスタンスは「特に注視」という強めの姿勢が維持されよう。足もとの物価を押し下げている原油価格要因は、今年末には剥落する見込みであり、原油高再燃のリスクもある。成長の加速で需給ギャップの縮小も大きく進展しているからだ。
- 筆者は、3月の利上げが着地点との見方を維持するが、雇用・賃金統計や賃金交渉の行方、マネー統計の動向などを、追加利上げの可能性を高める材料として注目したい。
(2007年02月23日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- ・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職
・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員
伊藤 さゆりのレポート
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