- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経営・ビジネス >
- 企業経営・産業政策 >
- 規制緩和で変動する大衆薬の小売市場
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■intrduction
医療制度改革が大衆薬流通の環境変化を加速
人口の高齢化にともなう医療保険財政逼迫のなかで、薬の過剰投与や薬価差益問題が深刻になっており、厚生省は医療費の3割弱を占める薬剤費を圧縮するため、(1)薬価引き下げと薬価基準制度の見直し、(2)医薬分業の推進(調剤薬局経由は約3割・1兆円程度、他はすべて病院薬局経由)、(3)セルフメディケーション(自己治療)の推進 の方針を打ち出している。
さらに米国からの医薬品業界への市場参入圧力も加わって、90年代に入ると大衆薬流通の規制緩和が相次いで実施されている。特に93~95年までに実施された再販制度撤廃の影響は大きく、それまで薬局薬店の主要な収入源であったドリンク剤の安売り競争が激化して、中小の薬局薬店の収益力が急速に悪化した。
このような流れのなかで、さらに99年4月から、健胃清涼剤や栄養ドリンク剤など比較的安全性の高い15品目の医薬品を医薬部外品へ移行する“カテゴリー変更”が実施され(新指定医薬部外品)、薬局薬店だけでなく、コンビニなどの一般小売店でも自由に売れるようになった。
この規制緩和で、これまで医薬品が扱えなかった食系卸や雑系卸(雑貨を扱う卸)、大型スーパーの医薬品流通への進出が本格的に始まった。(これは「大衆薬ビックバン」と呼ばれている)
(1999年10月01日「経済調査レポート」)
高橋 敏信
高橋 敏信のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2004/01/25 | 市区町村における行政評価の実態 | 高橋 敏信 | 基礎研マンスリー |
2002/05/25 | 普及が進むIP電話と通信産業への影響力 | 高橋 敏信 | 基礎研マンスリー |
2002/05/25 | 鈍化傾向が続く移動体通信の新規加入数 | 高橋 敏信 | 基礎研マンスリー |
2001/03/25 | セルフメディケーションにおける大衆薬の役割と医薬品規制 | 高橋 敏信 | ニッセイ基礎研所報 |
新着記事
-
2025年03月18日
今週のレポート・コラムまとめ【3/11-3/17発行分】 -
2025年03月17日
「共に民主党」の李在明代表の大統領の夢はどうなるのか?-尹錫悦大統領の釈放で政局は不透明な状況へと突入- -
2025年03月17日
あなたはイカサマサイコロを見抜けますか? -
2025年03月17日
欧州経済見通し-緩慢な回復、取り巻く不確実性は大きい -
2025年03月17日
アンケート調査から読み解く物流施設利用の現状と方向性(2)~倉庫管理システムと冷蔵・冷凍機能を拡充。地震対策・電源確保と自動化が一層進む。従業員の健康配慮を重視。
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【規制緩和で変動する大衆薬の小売市場】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
規制緩和で変動する大衆薬の小売市場のレポート Topへ