2015年11月02日

【アジア新興経済レビュー】内需中心で景気持ち直しの兆し

経済研究部 准主任研究員 斉藤 誠

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  1. (実体経済)
    生産面の伸び率(前年同月比)の動きを見ると、韓国・タイ・フィリピン・インドが3ヵ月・6ヵ月平均を上回るなど総じて持ち直しの動きが見られた。韓国は電子部品・デバイスや自動車など、フィリピンはその他製造品や電気機械を中心に上昇した。またインドはインフレ圧力の後退や利下げなどから販売が好調な耐久消費財の生産が拡大し、2年10ヵ月ぶりの6%台を達成した。
  2. (消費者物価上昇率)
    9月の消費者物価上昇率(前年同月比)は、国際商品市況の下落が続いたほか、景気減速によるインフレ期待の後退を受けて低めの伸びとなった。台湾は大型台風の影響で野菜や果物などの食料品価格が高騰して今年初のプラスに転じた。
  3. (金融政策)
    10月は、韓国・インドネシアの中央銀行で金融政策会合が開かれたが、それぞれ金融政策は据え置きとなった。
  4. (10月の注目ニュース)
      -韓国・台湾 :2015年4-6月期GDPを公表(23日、30日)
      -台湾    :国民党が次期総統選候補を朱主席に差し替え(17日)
      -マレーシア :2016年度政府予算案を発表(23日)
  5. (11月の主要指標)
    11月は、マレーシア(13日)・タイ(16日)・インドネシア(5日)・フィリピン(26日)・インド(30日)で2015年7-9月期の国内総生産(GDP)が公表される。マレーシアでは4-6月期に見られたGST導入前の駆け込み需要の反動が剥落して成長率が上向くか、またインドネシア・フィリピンでは予算執行の加速で公共投資が景気の牽引役になるか、そしてインドではインフレ圧力の後退と利下げによる景気回復が見られるか注目したい。
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経済研究部   准主任研究員

斉藤 誠 (さいとう まこと)

研究・専門分野
東南アジア経済、インド経済

経歴
  • 【職歴】
     2008年 日本生命保険相互会社入社
     2012年 ニッセイ基礎研究所へ
     2014年 アジア新興国の経済調査を担当
     2018年8月より現職

(2015年11月02日「経済・金融フラッシュ」)

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