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- 公的年金改革の論点について誤解を正す
2025年02月05日
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2024年の財政検証結果を受けて、公的年金の制度見直しの検討が行われている。法案にまとめられ今年の通常国会の会期中に提出される予定であるが、幾つかの方向性は見えて来ている。網羅するのは煩雑になるため、大きく議論された点を二つ挙げてみる。
まず、厚生年金の適用拡大である。「106万円の壁」といった捉え方をされがちであるが、そもそも労政において同一労働同一賃金という原則が主流になっているのに、企業規模や年間報酬額で適用の差を設けて来たことが奇異である。正しくは、被用者側の問題でなく、厚生年金保険料の和半を負担する雇用主側が負担を避けて来たという点であろう。中小企業等への支援は必要であるが、大企業が反対するのは不当である。問題点を十分に理解されたい。
もう一つが、マクロ経済スライドの適用期間の一致である。一部には、厚生年金の積立金を国民年金に流用するといった誤った説明が見られる。実際は、被用者と雇用主が折半で負担した厚生年金保険料は、当該年度の厚生年金給付に用いられており、積立金の財源になっているのではない。240兆円を上回るGPIFの積立金残高は過去の収支差額の余剰と運用努力で獲得した収益の蓄積によるものであり、少子高齢化の進行を受けて今後の年金給付のために取り崩される。加入者の誰かに帰属するものではない。
まず、厚生年金の適用拡大である。「106万円の壁」といった捉え方をされがちであるが、そもそも労政において同一労働同一賃金という原則が主流になっているのに、企業規模や年間報酬額で適用の差を設けて来たことが奇異である。正しくは、被用者側の問題でなく、厚生年金保険料の和半を負担する雇用主側が負担を避けて来たという点であろう。中小企業等への支援は必要であるが、大企業が反対するのは不当である。問題点を十分に理解されたい。
もう一つが、マクロ経済スライドの適用期間の一致である。一部には、厚生年金の積立金を国民年金に流用するといった誤った説明が見られる。実際は、被用者と雇用主が折半で負担した厚生年金保険料は、当該年度の厚生年金給付に用いられており、積立金の財源になっているのではない。240兆円を上回るGPIFの積立金残高は過去の収支差額の余剰と運用努力で獲得した収益の蓄積によるものであり、少子高齢化の進行を受けて今後の年金給付のために取り崩される。加入者の誰かに帰属するものではない。
(2025年02月05日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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