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2023年02月03日
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2022年は世界の市場をインフレの波が襲った。12月の物価上昇率(対前年比)は欧州で9.2%、米国でも6.5%に達した。中央銀行による金融引き締め政策により金利が上昇し、株式のリターンはマイナスとなった。金融政策が効果を発揮するまでのタイムラグや地政学リスクなど考えるとインフレが沈静化するかどうか、予断は許されない。
株式は短期的にはインフレに弱い。理由の1つは、原材料などの調達コストが上昇し、企業の利益水準(EPS)が低下することだ。もう1つの理由は金融引締めと期待インフレ率の上昇が長短金利、さらには将来のキャッシュフローや利益を株価に換算する、現在価値計算の割引率の上昇を引き起こすことである。
しかし、投資期間を長く取れば状況は変わる。インフレ率がある水準で安定すれば、企業はコストの上昇を価格に転嫁できるようになるし、金利とともに割引率の水準も安定する。さらに現実のインフレ率が市場参加者の予想よりも低ければ、割引率は低下し、株価収益率(PER)は上昇するのである。ただし通常、この状況が訪れるまでには、数年かかる。それでも、リスクプレミアムによるリターンの下支えもあり、株式が長期的には、インフレ率+アルファのリターンをあげうることは忘れたくない。
株式は短期的にはインフレに弱い。理由の1つは、原材料などの調達コストが上昇し、企業の利益水準(EPS)が低下することだ。もう1つの理由は金融引締めと期待インフレ率の上昇が長短金利、さらには将来のキャッシュフローや利益を株価に換算する、現在価値計算の割引率の上昇を引き起こすことである。
しかし、投資期間を長く取れば状況は変わる。インフレ率がある水準で安定すれば、企業はコストの上昇を価格に転嫁できるようになるし、金利とともに割引率の水準も安定する。さらに現実のインフレ率が市場参加者の予想よりも低ければ、割引率は低下し、株価収益率(PER)は上昇するのである。ただし通常、この状況が訪れるまでには、数年かかる。それでも、リスクプレミアムによるリターンの下支えもあり、株式が長期的には、インフレ率+アルファのリターンをあげうることは忘れたくない。
(2023年02月03日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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