- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融市場・外国為替(通貨・相場) >
- 2020年はどんな年? 金融市場のテーマと展望
2019年12月06日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■要旨
- 2019年のこれまでの市場を振り返ると、ドル円・日本株ともに米中摩擦の影響を強く受ける形で上下したが、米利下げがリスクオフの円高圧力を緩和すると同時にドルの上値を抑えたため、ドル円は方向感を欠いた。一方で、日本株は利下げによる米株高が追い風になる形で明確に上昇した。2019年は「貿易摩擦に一喜一憂させられた一年」と総括できるが、株式投資家にとっては「米利下げが心の拠り所になった一年」とも言える。
- それでは、来年2020年は金融市場にとってどのような年になるのだろうか?内外の注目材料としては、米国については貿易摩擦と景気、大統領選の行方、中国については景気の行方(減速は止まるか)、その他の地域では欧州の政治と中東などの地政学リスク、国内については東京五輪の影響と衆議院解散・総選挙の可能性などが挙げられる。
- このうち最も重要な材料は米中貿易摩擦の行方だが、メインシナリオとしては、一筋縄には行かないものの、段階的な合意を経て緩和に向うと予想している。米中摩擦が緩和に向うことで、両当事国をはじめ世界経済への減速圧力は弱まるだろう。中国の経済対策の効果も次第に顕在化してくると見込まれる。こうしたことから、来年の日本株の方向感としては「上昇」を予想している。ただし、日本株の割安感は既に後退しているうえ、来年も投資家は世界経済の下振れリスクを警戒せざるを得ないことから、株価の上値も限られそうだ。ドル円については、米中摩擦の緩和などが円売りに繋がる場面も想定されるが、FRBが利上げに前向きな姿勢を示す可能性は低く、ドル高圧力が高まりにくいことから、105円~110円を中心とする「レンジ相場」が続くと予想している。
- 以上、来年は株価の持ち直し、ドル円のレンジ相場を予想しているが、引き続き世界経済を巡る多くのリスクが存在しているだけに、株安・円高リスクにも警戒を怠れない。
■目次
1.トピック:2020年はどんな年?金融市場のテーマと展望
・2019年の振り返り・・・貿易摩擦に一喜一憂させられた一年、米利下げが心の拠り所に
・2020年はどんな年?
・メインシナリオとリスク
2.日銀金融政策(11月):当面の追加緩和に否定的な見解を示す
・(日銀)維持(開催なし)
・今後の予想
3.金融市場(11月)の振り返りと予測表
・10年国債利回り
・ドル円レート
・ユーロドルレート
1.トピック:2020年はどんな年?金融市場のテーマと展望
・2019年の振り返り・・・貿易摩擦に一喜一憂させられた一年、米利下げが心の拠り所に
・2020年はどんな年?
・メインシナリオとリスク
2.日銀金融政策(11月):当面の追加緩和に否定的な見解を示す
・(日銀)維持(開催なし)
・今後の予想
3.金融市場(11月)の振り返りと予測表
・10年国債利回り
・ドル円レート
・ユーロドルレート
(2019年12月06日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1870
経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
上野 剛志のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/04/18 | トランプ関税発の円高は止まるか?~マーケット・カルテ5月号 | 上野 剛志 | 基礎研マンスリー |
2025/04/11 | 貸出・マネタリー統計(25年3月)~貸出金利は上昇中だが、貸出残高は増勢を維持、現金・普通預金離れが進む | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
2025/04/07 | トランプ関税と円相場の複雑な関係~今後の展開をどう見るか? | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/04/01 | 日銀短観(3月調査)~日銀の言う「オントラック」を裏付ける内容だが、トランプ関税の悪影響も混在 | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
新着記事
-
2025年05月01日
日本を米国車が走りまわる日-掃除機は「でかくてがさつ」から脱却- -
2025年05月01日
米個人所得・消費支出(25年3月)-個人消費(前月比)が上振れする一方、PCE価格指数(前月比)は総合、コアともに横這い -
2025年05月01日
米GDP(25年1-3月期)-前期比年率▲0.3%と22年1-3月期以来のマイナス、市場予想も下回る -
2025年05月01日
ユーロ圏GDP(2025年1-3月期)-前期比0.4%に加速 -
2025年04月30日
2025年1-3月期の実質GDP~前期比▲0.2%(年率▲0.9%)を予測~
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【2020年はどんな年? 金融市場のテーマと展望】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
2020年はどんな年? 金融市場のテーマと展望のレポート Topへ