2018年11月20日

ドル高の賞味期限はまだか?~マーケット・カルテ12月号

経済研究部 上席エコノミスト   上野 剛志

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為替・金利 3ヶ月後の見通し 11月に入り、ドル円は米国の12月利上げ観測などから一時114円台に乗せたが、その後、中国不安や米ハイテク株安に伴うリスクオフの円買い、FRB要人発言を受けた利上げ鈍化観測などから円高に振れ、足元は112円台半ばで推移している。この間、ドル円と相関の高い米長期金利は原油安もあって0.2%近くも低下しており、ドルの下落を正当化している。

ただし、今後も米経済は来年前半にかけて、財政刺激策の効果継続から堅調な推移が見込まれる。利上げの継続によって米長期金利は再び上昇し、ドル高を促すだろう。当面は年末のドル需要もドル高材料になる。そうした意味では、まだドル高の賞味期限は切れていないと判断している。一方、今後は米利上げ打ち止めの可能性が次第に意識されるようになるため、ドル高の進行余地は限られる。3ヵ月後の水準は現状比やや円安ドル高の113円~114円と予想している。

なお、11月末に予定される米中首脳会談が両国の貿易摩擦緩和に繋がればリスクオンの円安圧力が発生するが、その際は元高ドル安を通じたドル安圧力も生じることで、円安圧力が減殺されるだろう。

ユーロ円は、欧州の政治リスク(イタリアの財政懸念、ドイツの政治不安、英国のEU離脱懸念)を巡る思惑で方向感を欠いており、足元は128円台後半にある。今後も当面は政治リスクへの警戒が燻り、ユーロ円は上値を抑えられそうだ。ただし、それぞれ時間の経過とともに先行きが見えてくることで、不透明感の緩和を通じたユーロの買戻しが見込まれる。3ヵ月後の水準は130円台と予想している。

長期金利は、不安定な株価動向や米金利低下を受けて低下し、足元では約3ヵ月ぶりの低水準となる0.1%で推移している。世界経済を取り巻く下振れリスクは多く、今後も安全資産としての国債需要が金利の抑制に働くものの、米金利上昇と日銀の国債買入れ減額という金利上昇要因の影響が上回るだろう。3ヵ月後の水準は0.1%台後半と予想している。
 
(執筆時点:2018/11/20)
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経済研究部   上席エコノミスト

上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融・為替、日本経済

(2018年11月20日「基礎研マンスリー」)

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