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- 2018年はどんな年? 金融市場のテーマと展望~金融市場の動き(12月号)
2017年12月04日
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3.金融市場(11月)の振り返りと当面の予想
(10年国債利回り)
11月の動き 月初0.0%台後半スタートし、月末は0.0%台前半に。
月初、0.0%台後半でスタートした後、日銀オペで良好な需給が確認されたことや、米雇用統計の賃金上昇率が低下したことを受けて、6日に0.0%台前半へと低下。しばらく横ばいで推移した後、ポジション調整による米金利上昇や日銀オペで需給緩和が示されたことを受けて、13日0.0%台半ばへ一旦上昇した。その後、再び日銀オペで需給の引き締まりが確認されるなど好調な需給環境が意識され、15日には0.0%台前半に低下。下旬には日銀がオペの減額を実施したものの金利上昇圧力は弱く、月末にかけて0.0%台前半での推移が継続した。
当面の予想
足元も0.0%台前半で推移。日銀の国債買入れなどによる需給の引き締まり感が強く、基本的に金利が上がりづらい地合いが続きそうだ。そうした中で注目されるのは米政治の動き。米税制改革が進展すれば米金利上昇に伴って本邦長期金利にも上昇圧力が波及するが、先送りになれば低下圧力がかかることになる。また、8日には米暫定予算・債務上限の期限が迫る。さらに、ロシアゲート疑惑に関する動きも要注意。捜査が大統領周辺に及べば、米政治の不透明感を強めて、金利低下圧力になる。ともに事態は極めて流動的であり、先行き不透明感が強い。当面は様子見姿勢が強く、一進一退の展開になりやすい。
11月の動き 月初0.0%台後半スタートし、月末は0.0%台前半に。
月初、0.0%台後半でスタートした後、日銀オペで良好な需給が確認されたことや、米雇用統計の賃金上昇率が低下したことを受けて、6日に0.0%台前半へと低下。しばらく横ばいで推移した後、ポジション調整による米金利上昇や日銀オペで需給緩和が示されたことを受けて、13日0.0%台半ばへ一旦上昇した。その後、再び日銀オペで需給の引き締まりが確認されるなど好調な需給環境が意識され、15日には0.0%台前半に低下。下旬には日銀がオペの減額を実施したものの金利上昇圧力は弱く、月末にかけて0.0%台前半での推移が継続した。
当面の予想
足元も0.0%台前半で推移。日銀の国債買入れなどによる需給の引き締まり感が強く、基本的に金利が上がりづらい地合いが続きそうだ。そうした中で注目されるのは米政治の動き。米税制改革が進展すれば米金利上昇に伴って本邦長期金利にも上昇圧力が波及するが、先送りになれば低下圧力がかかることになる。また、8日には米暫定予算・債務上限の期限が迫る。さらに、ロシアゲート疑惑に関する動きも要注意。捜査が大統領周辺に及べば、米政治の不透明感を強めて、金利低下圧力になる。ともに事態は極めて流動的であり、先行き不透明感が強い。当面は様子見姿勢が強く、一進一退の展開になりやすい。
(ドル円レート)
11月の動き 月初113円台後半でスタートし、月末は112円近辺に。
月初、米FOMCで景気認識が引き上げられたことでドルが買われ、2日に114円台に。国内輸入企業のドル買い需要もあり、6日には一時114円台後半を付ける。その後は米税制改革の進捗を見極める展開となり、しばらく114円を挟んで一進一退の展開となったが、低調な米経済指標や米政権のロシアゲート捜査を巡る報道などからドル売りが強まり、17日には112円台へ。さらにFOMC議事要旨がハト派的との受け止めが広がったことで、24日には111円台半ばへと低下。その後も北朝鮮のミサイル発射を受けたリスク回避の円買いもあって、ドル円の上値は重い展開となったが、月末は米上院での税制改革法案可決への期待が高まり、112円近辺へ上昇。
当面の予想
今月に入り、米税制改革案が上院で可決されたことでドルが買われ、足元は112円台後半にある。長期金利同様、米政治を巡る情勢(税制改革、暫定予算・債務上限期限、ロシアゲート疑惑)の不透明感が強く、当面は動きにくい地合いになりそうだ。特に影響が大きいのは税制改革。年内に成立すれば2円程度ドル高に振れる可能性があるが、先送りになれば、一旦は失望に伴うドル安反応が出そうだ。ただ、頓挫するのでなければ、影響は限定的だろう。一方、FRBの12月利上げはほぼ完全に織り込み済み。来週のFOMCの焦点はFRBメンバーの政策金利見通し(ドット・チャート)になる。
11月の動き 月初113円台後半でスタートし、月末は112円近辺に。
月初、米FOMCで景気認識が引き上げられたことでドルが買われ、2日に114円台に。国内輸入企業のドル買い需要もあり、6日には一時114円台後半を付ける。その後は米税制改革の進捗を見極める展開となり、しばらく114円を挟んで一進一退の展開となったが、低調な米経済指標や米政権のロシアゲート捜査を巡る報道などからドル売りが強まり、17日には112円台へ。さらにFOMC議事要旨がハト派的との受け止めが広がったことで、24日には111円台半ばへと低下。その後も北朝鮮のミサイル発射を受けたリスク回避の円買いもあって、ドル円の上値は重い展開となったが、月末は米上院での税制改革法案可決への期待が高まり、112円近辺へ上昇。
当面の予想
今月に入り、米税制改革案が上院で可決されたことでドルが買われ、足元は112円台後半にある。長期金利同様、米政治を巡る情勢(税制改革、暫定予算・債務上限期限、ロシアゲート疑惑)の不透明感が強く、当面は動きにくい地合いになりそうだ。特に影響が大きいのは税制改革。年内に成立すれば2円程度ドル高に振れる可能性があるが、先送りになれば、一旦は失望に伴うドル安反応が出そうだ。ただ、頓挫するのでなければ、影響は限定的だろう。一方、FRBの12月利上げはほぼ完全に織り込み済み。来週のFOMCの焦点はFRBメンバーの政策金利見通し(ドット・チャート)になる。
(ユーロドルレート)
11月の動き 月初1.16ドル台前半からスタートし、月末は1.18ドル台半ばに。
月初、良好な米景況指標などを受けてドルが買われ、6日には1.15ドル台に下落したが、米税制改革の不透明感から、9日に1.16ドル台を回復。さらに、ユーロ圏の良好な経済指標を受けて15日には1.18ドル台に上昇した。しばらく方向感を欠く推移が続いた後、独経済指標の改善を受けて28日には1.19ドル台半ばまで上昇したが、持ち高調整のユーロ売りや米経済指標改善に伴うドル買いが入り、29日には1.18ドル台前半に。月末も1.18ドル台半ばで着地した。
当面の予想
足元は1.18ドル台後半で推移。ECB金融政策は来年10月まで変更が見込めないため、ユーロ側材料主体の動きは限られそう。そうした中で、ドル側の材料(税制改革、暫定予算・債務上限期限、ロシアゲート疑惑、FOMCでのドット・チャート)がユーロドルの主たる材料になりそうだ。ただし、カタルーニャ問題はまだ予断を許さないため、今月21日のカタルーニャ選挙前後に、ユーロに下押し圧力がかかる可能性がある。
11月の動き 月初1.16ドル台前半からスタートし、月末は1.18ドル台半ばに。
月初、良好な米景況指標などを受けてドルが買われ、6日には1.15ドル台に下落したが、米税制改革の不透明感から、9日に1.16ドル台を回復。さらに、ユーロ圏の良好な経済指標を受けて15日には1.18ドル台に上昇した。しばらく方向感を欠く推移が続いた後、独経済指標の改善を受けて28日には1.19ドル台半ばまで上昇したが、持ち高調整のユーロ売りや米経済指標改善に伴うドル買いが入り、29日には1.18ドル台前半に。月末も1.18ドル台半ばで着地した。
当面の予想
足元は1.18ドル台後半で推移。ECB金融政策は来年10月まで変更が見込めないため、ユーロ側材料主体の動きは限られそう。そうした中で、ドル側の材料(税制改革、暫定予算・債務上限期限、ロシアゲート疑惑、FOMCでのドット・チャート)がユーロドルの主たる材料になりそうだ。ただし、カタルーニャ問題はまだ予断を許さないため、今月21日のカタルーニャ選挙前後に、ユーロに下押し圧力がかかる可能性がある。
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(2017年12月04日「Weekly エコノミスト・レター」)
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03-3512-1870
経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
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