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- 日銀短観(3月調査)~景況感は幅広く改善したが、先行きへの警戒感は強い
2017年04月03日
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3.需給・価格判断:中小企業の需給は改善、マージンは製造業を中心に悪化
(需給判断:中小企業で改善が目立つ)
大企業製造業の国内製商品・サービス需給判断D.I.(需要超過-供給超過)は前回比1ポイント上昇、非製造業では1ポイント低下と小動き。製造業の海外需給は2ポイント上昇している。外需の改善がやや目立つ。
先行きについては、国内需給は製造業で1ポイント低下、非製造業では横ばいと改善は見込まれていないが、製造業の海外需給は1ポイント上昇と、わずかながら改善が見込まれている。
中小企業については、国内需給は製造業が前回から5ポイント上昇、非製造業も2ポイント上昇した。製造業の海外需給も5ポイントの上昇となった。先行きについては、国内需給は製造業、非製造業ともに悪化、製造業の海外需給は横ばいに留まっている(図表4)。
(価格判断:仕入れ価格の上昇大きく、製造業でマージンが大きく悪化)
大企業製造業の販売価格判断D.I. (上昇-下落)は前回から4ポイント上昇、非製造業でも2ポイント上昇した。一方、仕入価格判断D.I. (上昇-下落)は製造業で13ポイント、非製造業で2ポイント上昇。資源価格の上昇や最近の円安を受けて、製造業で仕入れ価格が大きく上昇したようだ。
製造業では、仕入価格D.I.の上昇が販売価格D.I.の上昇を大きく上周り、両者の差し引き(販売価格-仕入れ価格)であるマージン(利鞘)は前回から大きく縮小している。
販売価格判断D.I.の3ヵ月後の先行きについては、製造業では1ポイント上昇、非製造業では1ポイント低下と小動きが見込まれている。仕入価格判断D.I.も製造業で横ばい、非製造業で1ポイントの上昇に留まり、マージンは概ね横ばいとなることが想定されている(図表5)。
中小企業の販売価格判断D.I.は製造業で前回比4ポイント上昇、非製造業も2ポイント上昇した。一方で、仕入価格判断D.I.は製造業で12ポイント、非製造業でも4ポイントと販売価格よりも上昇したため、差し引きであるマージンは、それぞれ縮小している。
先行きについても、販売価格D.I.が製造業で1ポイント上昇、非製造業で2ポイント上昇に留まることが見込まれている一方で、仕入価格判断D.I.は製造業で9ポイント上昇、非製造業で4ポイント上昇と、それぞれ販売価格以上に上昇しており、マージンのさらなる縮小が見込まれている。
大企業製造業の国内製商品・サービス需給判断D.I.(需要超過-供給超過)は前回比1ポイント上昇、非製造業では1ポイント低下と小動き。製造業の海外需給は2ポイント上昇している。外需の改善がやや目立つ。
先行きについては、国内需給は製造業で1ポイント低下、非製造業では横ばいと改善は見込まれていないが、製造業の海外需給は1ポイント上昇と、わずかながら改善が見込まれている。
中小企業については、国内需給は製造業が前回から5ポイント上昇、非製造業も2ポイント上昇した。製造業の海外需給も5ポイントの上昇となった。先行きについては、国内需給は製造業、非製造業ともに悪化、製造業の海外需給は横ばいに留まっている(図表4)。
(価格判断:仕入れ価格の上昇大きく、製造業でマージンが大きく悪化)
大企業製造業の販売価格判断D.I. (上昇-下落)は前回から4ポイント上昇、非製造業でも2ポイント上昇した。一方、仕入価格判断D.I. (上昇-下落)は製造業で13ポイント、非製造業で2ポイント上昇。資源価格の上昇や最近の円安を受けて、製造業で仕入れ価格が大きく上昇したようだ。
製造業では、仕入価格D.I.の上昇が販売価格D.I.の上昇を大きく上周り、両者の差し引き(販売価格-仕入れ価格)であるマージン(利鞘)は前回から大きく縮小している。
販売価格判断D.I.の3ヵ月後の先行きについては、製造業では1ポイント上昇、非製造業では1ポイント低下と小動きが見込まれている。仕入価格判断D.I.も製造業で横ばい、非製造業で1ポイントの上昇に留まり、マージンは概ね横ばいとなることが想定されている(図表5)。
中小企業の販売価格判断D.I.は製造業で前回比4ポイント上昇、非製造業も2ポイント上昇した。一方で、仕入価格判断D.I.は製造業で12ポイント、非製造業でも4ポイントと販売価格よりも上昇したため、差し引きであるマージンは、それぞれ縮小している。
先行きについても、販売価格D.I.が製造業で1ポイント上昇、非製造業で2ポイント上昇に留まることが見込まれている一方で、仕入価格判断D.I.は製造業で9ポイント上昇、非製造業で4ポイント上昇と、それぞれ販売価格以上に上昇しており、マージンのさらなる縮小が見込まれている。
4.売上・収益計画: 17年度計画は2期連続の減益に
16年度収益計画(全規模全産業)は、売上高が前年度比2.4%減(前回は1.6%減)と下方修正された。経常利益は4.1%減(前回は8.2%減)と上方修正されたが前年比では減益となる見込み。
16年度想定為替レート(大規模製造業)は107.3円(上期106.54円、下期108.01円)と前回(104.90円)から円安方向に修正されている。米大統領選後に進んだ円安が一部反映されたためとみられるが、円安の織り込みが進んだことが、利益計画の上方修正に繋がったと考えられる。
2016年度の平均為替レート(実績)は108円台前半と、今回示された想定に比べて若干円安となっていることから、次回の短観においてさらなる円安の反映によって、収益計画が若干上方修正される可能性がある。
また、今回から公表された17 年度収益計画(全規模全産業)は、売上は前年比1.3%増、経常利益は1.1%の減益計画となっている。経常利益は16年度に続いて減益となる見通しが示されている。なお、17年度想定為替レート(大規模製造業)は108.43 円と、足下の実勢よりも3 円程度円高水準に設定されている。為替も含めて、来年度収益に対する慎重な見方がうかがわれる。
16年度想定為替レート(大規模製造業)は107.3円(上期106.54円、下期108.01円)と前回(104.90円)から円安方向に修正されている。米大統領選後に進んだ円安が一部反映されたためとみられるが、円安の織り込みが進んだことが、利益計画の上方修正に繋がったと考えられる。
2016年度の平均為替レート(実績)は108円台前半と、今回示された想定に比べて若干円安となっていることから、次回の短観においてさらなる円安の反映によって、収益計画が若干上方修正される可能性がある。
また、今回から公表された17 年度収益計画(全規模全産業)は、売上は前年比1.3%増、経常利益は1.1%の減益計画となっている。経常利益は16年度に続いて減益となる見通しが示されている。なお、17年度想定為替レート(大規模製造業)は108.43 円と、足下の実勢よりも3 円程度円高水準に設定されている。為替も含めて、来年度収益に対する慎重な見方がうかがわれる。
(2017年04月03日「Weekly エコノミスト・レター」)
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03-3512-1870
経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
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