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- 【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(3月号)~3ヵ月連続の二桁増を記録
2017年03月10日
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17年1月のASEAN主要6カ国の輸出(ドル建て通関ベース)は前年同月比12.4%増と、前月の同10.7%増から上昇した(図表1)。輸出は16年初から原油価格の底打ちや海外需要の緩やかな回復によって持ち直しに向かい、年末には資源価格の一段の上昇や電子機械の需要増を受けて加速して3ヵ月連続の二桁増を記録した。今後は短期的には高水準を維持するだろうが、これまでの資源価格の上昇要因が剥落するなか、輸出の伸びも一桁台まで鈍化していくものと予想する。
なお、ASEAN5カ国の仕向け地別の輸出動向を見ると、1月は中華圏の春節の影響で営業日数が少なかった東アジア・東南アジア向けが鈍化したものの、昨年後半に伸び悩んでいた米国向けが再度上昇するとともに欧州向けが堅調に増加した(図表2)。
なお、ASEAN5カ国の仕向け地別の輸出動向を見ると、1月は中華圏の春節の影響で営業日数が少なかった東アジア・東南アジア向けが鈍化したものの、昨年後半に伸び悩んでいた米国向けが再度上昇するとともに欧州向けが堅調に増加した(図表2)。
タイの17年1月の輸出額は前年同月比8.8%増と、前月の同6.2%増から上昇し、3ヵ月連続のプラスとなった。輸出の伸びは上下に大きな振れを伴いながら、16年から資源価格の上昇を受けて緩やかに持ち直し、足元ではIC製品や中国向けの石油製品、ゴム製品、ソーラーパネルなどが伸びており、回復基調が鮮明になっている。一方、輸入額は前年同月比5.2%増と、前月の同10.3%増から低下した。結果、貿易収支は8.3億ドルの黒字となり、前月から1.1億ドル黒字が縮小した(図表3)。
輸出を品目別に見ると、全体の約8割を占める主要工業製品は同7.6%増と、前月の同5.4%増から上昇し、3ヵ月連続のプラスとなった(図表4)。工業製品の内訳を見ると、機械・装置(同1.0%減)こそ落ち込んだものの、石油化学製品(13.0%増)や自動車・部品(同3.7%増)、家電製品(同3.4%増)、電子機器(同1.4%増)など幅広い品目が増加した。また農産品・加工品も同7.5%増(前月:同7.0%増)と、ゴム(同62.5%増)やゴム製品(47.6%増)を中心に上昇した。さらに、鉱業・燃料も同49.7%増(前月:同19.4%増)と、石油製品を中心に一段と上昇した。
輸出を品目別に見ると、全体の約8割を占める主要工業製品は同7.6%増と、前月の同5.4%増から上昇し、3ヵ月連続のプラスとなった(図表4)。工業製品の内訳を見ると、機械・装置(同1.0%減)こそ落ち込んだものの、石油化学製品(13.0%増)や自動車・部品(同3.7%増)、家電製品(同3.4%増)、電子機器(同1.4%増)など幅広い品目が増加した。また農産品・加工品も同7.5%増(前月:同7.0%増)と、ゴム(同62.5%増)やゴム製品(47.6%増)を中心に上昇した。さらに、鉱業・燃料も同49.7%増(前月:同19.4%増)と、石油製品を中心に一段と上昇した。
マレーシアの17年1月の輸出額は前年同月比10.6%増と、前月の同6.2%増から上昇し、2014年4月以来の二桁増を記録した。輸出の伸び率は16年初に資源価格が上昇に転じてから持ち直し、16年後半には主力の電気電子製品も増加に転じ、回復基調が鮮明になっている。一方、輸入額は前年同月比13.0%増と、前月の同7.1%増から上昇した。結果、貿易収支は10.6億ドルの黒字と、前月から9.0億ドル黒字が縮小した(図表5)。
輸出を品目別に見ると、全体の約4割を占める機械・輸送用機器は同6.2%増(前月:同2.0%増)と主力の電気・電子製品(同8.5%増)を中心に上昇した(図表6)。また動植物性油脂は同18.5%増(前月:同15.7%増)と、価格が上昇したパーム油・同製品(同16.5%増)を中心に上昇し、3ヵ月連続の二桁増となった。一方、鉱物性燃料は同41.4%増と、価格上昇に加えて数量ベースの増加も追い風となり、2014年7月以来のプラスを記録した前月(同22.1%増)から一段と大きく上昇した。なお、製造品は同3.8%増(前月:同3.9%減)と、価格が上昇したゴム手袋(同8.1%増)を中心に上昇し、11ヵ月ぶりのプラスとなった。
輸出を品目別に見ると、全体の約4割を占める機械・輸送用機器は同6.2%増(前月:同2.0%増)と主力の電気・電子製品(同8.5%増)を中心に上昇した(図表6)。また動植物性油脂は同18.5%増(前月:同15.7%増)と、価格が上昇したパーム油・同製品(同16.5%増)を中心に上昇し、3ヵ月連続の二桁増となった。一方、鉱物性燃料は同41.4%増と、価格上昇に加えて数量ベースの増加も追い風となり、2014年7月以来のプラスを記録した前月(同22.1%増)から一段と大きく上昇した。なお、製造品は同3.8%増(前月:同3.9%減)と、価格が上昇したゴム手袋(同8.1%増)を中心に上昇し、11ヵ月ぶりのプラスとなった。
インドネシアの17年1月の輸出額は前年同月比27.7%増と、前月の同16.0%増から上昇して3ヵ月連続の二桁増を記録した。輸出は16年前半から原油価格の底打ちを受けて緩やかに持ち直し、年後半には数量ベースでも増加に転じた。さらに年末には一次産品価格が一段と上昇し、輸出が急伸している。一方、輸入額は前年同月比4.5%増(前月:同6.5%減)と上昇し、2ヵ月ぶりのプラスとなった。結果、貿易収支は14.0億ドルの黒字と、前月から3.5億ドル黒字が拡大した(図表7)。
輸出を品目別に見ると、まず石油ガスが同14.8%増(前月:同3.8%減)と上昇し、2014年9月以来のプラスに転じた(図表8)。次に非石油ガスを見ると、輸出全体の7割を占める製造品は同26.3%増と、パーム油が好調で高水準を維持したものの、前月の同50.8%増から低下した。一方、鉱業品は同50.4%増と、前月の同27.5%増から一段と上昇して4ヵ月連続の二桁増を記録した。さらに農産品についても同11.6増と、前月の同83.6%減から大きく上昇した。
輸出を品目別に見ると、まず石油ガスが同14.8%増(前月:同3.8%減)と上昇し、2014年9月以来のプラスに転じた(図表8)。次に非石油ガスを見ると、輸出全体の7割を占める製造品は同26.3%増と、パーム油が好調で高水準を維持したものの、前月の同50.8%増から低下した。一方、鉱業品は同50.4%増と、前月の同27.5%増から一段と上昇して4ヵ月連続の二桁増を記録した。さらに農産品についても同11.6増と、前月の同83.6%減から大きく上昇した。
(2017年03月10日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
2008年 日本生命保険相互会社入社
2012年 ニッセイ基礎研究所へ
2014年 アジア新興国の経済調査を担当
2018年8月より現職
斉藤 誠のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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