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確定拠出年金での運用について考える~リスクをとるなら日本株、それとも外国株?~
取締役 前田 俊之
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最初の視点は日本株への投資を異なる期間で評価した場合はどうかというものである。前回、筆者が示したのは、15年間にわたって毎月一定の額を日本株のインデックスファンドに投資し、その終了時点における運用成果がどう推移するかを見たものであった。15年というのは日本で確定拠出年金がスタートしてからの期間に相当する。使用したデータの関係から、分析の対象は1997年以降の事例に限られているが、例えば1997年6月から2012年5月末までの15年間では、運用資金に対して約30%の含み損が発生している1。このことから、筆者としては運用の開始および終了タイミングについても注意が必要だと考えた。しかし、1998年4月以降に運用を開始していれば、そのタイミングに係わらずプラスの成果があった。より多くの加入者にとってメリットがあったという判断も確かに可能である。そこで今回は10年、20年、30年間に亘って日本株に投資した場合に、どのような成果になるかを試算した。
図表1が10年、図表2が20年、図表3が30年の結果を示している。試算の方法は前回と大きく変わらないが、毎月の積立額を10,000円とし1969年末にスタートした指数(MSCI Japan 課税前配当再投資ベース)に沿って運用がなされたものと仮定している。図表1~3のそれぞれに引いた線(120万円、240万円、360万円)は損益の分岐点になる。10年の例で見ると積立額120万円に対して、大きく分けて3回ほど含み損を抱える期間(運用の終了時期が1995年1月~1999年5月、2000年11月~2005年6月、2008年9月~2013年1月)があり、計算対象の約35%の時期で含み損を抱えている。20年の場合もほぼ同様の結果で、計算対象の約31%で含み損を抱えている。さすがに30年になると安定感が増してくるが、それでも計算対象の約18%で含み損を抱えている。どうしてこのような結果になるのであろうか。
(2016年07月29日「研究員の眼」)
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