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 - 円安材料無きドル円の行方~金融市場の動き(5月号)
 
2016年05月06日
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3.金融市場(4月)の動きと当面の予想
                                                                        (10年国債利回り)
4月の動き 月初▲0.0%台後半からスタートし、月末も▲0.0%台後半に。
月の上旬は、年度始の益出し売りに伴う金利上昇圧力と日銀オペ等での需給逼迫感に伴う金利低下圧力を受けて、▲0.0%台後半での一進一退に。その後、プラス金利を求めた超長期ゾーンの買いが波及する形で12日には▲0.1%をつける。さらに、15日には日銀オペで良好な需給が確認されたことで▲0.1%台前半に低下し、20日には▲0.1%台半ばに迫った。その後、高値警戒感から25日に一旦▲0.0%台後半に上昇したが、26日には日銀オペでタイトな需給が確認され、再び▲0.1%台前半に。月終盤には日銀会合を控えた持ち高整理が入り、▲0.0%台後半で着地した。
当面の予想
今月に入り、日銀オペで強い債券需要が確認されたことと株価下落を受けて低下、足元は▲0.1%台前半にある。近頃の長期金利は、日銀のマイナス金利幅(▲0.1%)を超える水準では債券の高値警戒感から売られやすく(金利は上昇)、▲0.0%台半ばが近づくと値ごろ感から買いが入りやすい(金利は低下)状況が続いている。▲0.1%前後という相場観が定着しつつあるようだ。この相場観を変化させる要因としては、日銀の追加緩和と米金利の上昇トレンド入りが挙げられるが、どちらも当面は見込み難い。従って、しばらく▲0.1%付近での一進一退の展開が見込まれる。
            4月の動き 月初▲0.0%台後半からスタートし、月末も▲0.0%台後半に。
月の上旬は、年度始の益出し売りに伴う金利上昇圧力と日銀オペ等での需給逼迫感に伴う金利低下圧力を受けて、▲0.0%台後半での一進一退に。その後、プラス金利を求めた超長期ゾーンの買いが波及する形で12日には▲0.1%をつける。さらに、15日には日銀オペで良好な需給が確認されたことで▲0.1%台前半に低下し、20日には▲0.1%台半ばに迫った。その後、高値警戒感から25日に一旦▲0.0%台後半に上昇したが、26日には日銀オペでタイトな需給が確認され、再び▲0.1%台前半に。月終盤には日銀会合を控えた持ち高整理が入り、▲0.0%台後半で着地した。
当面の予想
今月に入り、日銀オペで強い債券需要が確認されたことと株価下落を受けて低下、足元は▲0.1%台前半にある。近頃の長期金利は、日銀のマイナス金利幅(▲0.1%)を超える水準では債券の高値警戒感から売られやすく(金利は上昇)、▲0.0%台半ばが近づくと値ごろ感から買いが入りやすい(金利は低下)状況が続いている。▲0.1%前後という相場観が定着しつつあるようだ。この相場観を変化させる要因としては、日銀の追加緩和と米金利の上昇トレンド入りが挙げられるが、どちらも当面は見込み難い。従って、しばらく▲0.1%付近での一進一退の展開が見込まれる。
                                                                        (ドル円レート)
4月の動き 月初112円台前半からスタートし、月末は108円台前半に。
月初、日銀短観の悪化や原油価格下落を受けてリスク回避の円買いが進み、5日に111円を割り込む。さらに、翌月にG7を控えて介入に懐疑的な見方が広がったことで円高に歯止めがかからず、11日には108円台前半を付ける。その後は原油価格が持ち直したことで世界的にリスクオン地合いとなり円安が進行、14日には109円台前半まで戻す。18日には産油国会合での増産凍結見送りを受けたリスク回避で108円まで円が買われたが、原油が下げ渋ったことで翌19日には再び円安圧力が高まり109円台を回復。さらに、25日には日銀の4月追加緩和観測が急速に高まり、111円台まで円安が進行。月末は、日銀の追加緩和見送りを受けた失望で円が買われ、108円台前半まで円高が進行。
当面の予想
日銀緩和見送りの余韻や米為替報告書における日本の為替監視国指定などを受けて連休中に105円台まで円高が進行、足元はやや戻して107円台前半にある。さしたる円安ドル高材料が見当たらない中、当面は少なくともドルの上値は重いままだろう。今月は日米中銀の会合が予定されていないため、米国の経済指標や要人発言を受けて水準の調整が入るイメージ。目先の材料は本日夜の4月米雇用統計。雇用者数や平均時給が好調な内容ならドル高材料になるが、6月利上げ観測は高まりにくく、影響は限定されそう。不調な内容なら円は再び年初来高値を試す展開になりそうだ。
            4月の動き 月初112円台前半からスタートし、月末は108円台前半に。
月初、日銀短観の悪化や原油価格下落を受けてリスク回避の円買いが進み、5日に111円を割り込む。さらに、翌月にG7を控えて介入に懐疑的な見方が広がったことで円高に歯止めがかからず、11日には108円台前半を付ける。その後は原油価格が持ち直したことで世界的にリスクオン地合いとなり円安が進行、14日には109円台前半まで戻す。18日には産油国会合での増産凍結見送りを受けたリスク回避で108円まで円が買われたが、原油が下げ渋ったことで翌19日には再び円安圧力が高まり109円台を回復。さらに、25日には日銀の4月追加緩和観測が急速に高まり、111円台まで円安が進行。月末は、日銀の追加緩和見送りを受けた失望で円が買われ、108円台前半まで円高が進行。
当面の予想
日銀緩和見送りの余韻や米為替報告書における日本の為替監視国指定などを受けて連休中に105円台まで円高が進行、足元はやや戻して107円台前半にある。さしたる円安ドル高材料が見当たらない中、当面は少なくともドルの上値は重いままだろう。今月は日米中銀の会合が予定されていないため、米国の経済指標や要人発言を受けて水準の調整が入るイメージ。目先の材料は本日夜の4月米雇用統計。雇用者数や平均時給が好調な内容ならドル高材料になるが、6月利上げ観測は高まりにくく、影響は限定されそう。不調な内容なら円は再び年初来高値を試す展開になりそうだ。
                                                                        (ユーロドルレート)
4月の動き 月初1.14ドル台前半からスタートし、月末は1.14ドル台近辺に。
月初、新規材料が乏しい中、1.13ドル後半を中心とするボックス圏での推移が継続。原油価格持ち直しに伴う資源国通貨に対するドル安がユーロドルに波及し、12日には一旦1.14ドル台を付けたが、リスク回避後退に伴って低金利のユーロ売りが強まる形で14日には1.12ドル半ばに下落。その後一旦1.13ドル台へと上昇したが、ECB理事会を受けて緩和長期化が意識され、22日には1.12ドル台後半に下落。月末は冴えない米経済指標を受けたドル売りが入り、1.14ドル台近辺で終了。
当面の予想
今月に入り、米経済指標の悪化を受けてドル安が進んだが、足元は持ち高調整が入り1.14ドル付近となっている。ユーロドルは引き続きユーロサイドの材料が不足ぎみで、米国(ドル)側の材料で動く傾向が強い状況にある。6月の米利上げ観測が基本的に高まりにくい中、ユーロドルは当面高止まりしそう。今月は欧米中銀の会合が予定されていないため、ドル円同様、主に米国の経済指標や要人発言を受けて水準の調整が入るイメージ。目先もドル円同様、本日の米雇用統計の内容で上下するが、大幅なユーロ安ドル高反応は起きづらい。
            4月の動き 月初1.14ドル台前半からスタートし、月末は1.14ドル台近辺に。
月初、新規材料が乏しい中、1.13ドル後半を中心とするボックス圏での推移が継続。原油価格持ち直しに伴う資源国通貨に対するドル安がユーロドルに波及し、12日には一旦1.14ドル台を付けたが、リスク回避後退に伴って低金利のユーロ売りが強まる形で14日には1.12ドル半ばに下落。その後一旦1.13ドル台へと上昇したが、ECB理事会を受けて緩和長期化が意識され、22日には1.12ドル台後半に下落。月末は冴えない米経済指標を受けたドル売りが入り、1.14ドル台近辺で終了。
当面の予想
今月に入り、米経済指標の悪化を受けてドル安が進んだが、足元は持ち高調整が入り1.14ドル付近となっている。ユーロドルは引き続きユーロサイドの材料が不足ぎみで、米国(ドル)側の材料で動く傾向が強い状況にある。6月の米利上げ観測が基本的に高まりにくい中、ユーロドルは当面高止まりしそう。今月は欧米中銀の会合が予定されていないため、ドル円同様、主に米国の経済指標や要人発言を受けて水準の調整が入るイメージ。目先もドル円同様、本日の米雇用統計の内容で上下するが、大幅なユーロ安ドル高反応は起きづらい。
(2016年05月06日「Weekly エコノミスト・レター」)
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                                        03-3512-1870
経歴
                            - ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社 
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度) 
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