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- 雇用関連統計13年8月 ~失業率は急上昇も雇用情勢の改善基調は維持
■見出し
・失業率は0.3ポイント上昇の4.1%
・製造業の求人増が続
■要旨
総務省が10月1日に公表した労働力調査によると、13年8月の完全失業率は前月から0.3ポイント上昇し4.1%となった。労働力人口が前月から20万人の大幅増加となる中、就業者数が3万人の減少となったため、失業者数は前月に比べ21万人の増加となった。
失業率は大幅に上昇したが、景気回復に伴い労働市場へ参入した人が大幅に増えたことが失業者の増加につながった面があり、内容的にはそれほど悲観する必要はない。また、就業者数は減少したものの、労働需給をより敏感に反映する雇用者数は前月に比べ7万人増と5ヵ月連続で増加し、この間の増加幅は50万人となっている。雇用情勢の改善基調は維持されていると判断される。
雇用者数の内訳を産業別に見ると、鉱工業生産の持ち直しを反映し、7月に1年1ヵ月ぶりの増加となった製造業は前年比1万人増(7月:同6万人増)と2ヵ月連続で増加した。
その他の産業では、卸売・小売業が同4万人増(7月:同8万人増)と5ヵ月連続の増加となり、医療・福祉の増加幅が拡大した(7月:25万人増→8月:33万人増)が、公共投資、住宅投資の大幅増加が続いているにもかかわらず、建設業が前年比▲21万人減(7月:▲22万人減)と4ヵ月連続で減少した。建設業の求人数が大幅な増加を続ける一方、建設業の労働者が不足しているという労働需給のミスマッチが大きく影響している可能性が高い。
厚生労働省が10月1日に公表した一般職業紹介状況によると、13年8月の有効求人倍率は前月から0.01ポイント上昇の0.95倍となった。有効求職者数が前月比▲0.4%の減少となる一方、有効求人数が前月比0.5%と11ヵ月連続で増加した。有効求人倍率の先行指標である新規求人倍率は前月から0.01ポイント上昇の1.47倍となった。
新規求人数を産業別に見ると、高い伸びが続いていた情報通信が前年比でマイナスに転じたが、製造業が前年比5.4%となり、1年1ヵ月ぶりの増加となった6月以降、3ヵ月連続で増加した。雇用情勢が全体として改善の動きを続ける中、製造業の不振が目立つ形となっていたが、6月以降は新規求人数、7月以降は雇用者数が増加しており、景気回復が製造業の雇用にも波及し始めたと考えることができるだろう。
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