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- 金融市場の動き(5月号)~ 結局、FRBに抗うのは難しい
2012年05月02日
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- (日米金融政策) 過去の日銀の追加緩和とその後の株価・為替の推移を見ると、あまり関係性がみられない。近年、日銀はFRBに比べて高い頻度で緩和をしてきたのだが、円高・株安傾向を食い止められなかった。一方、米国ではFRBの追加緩和策と歩調を合わせる形での株高とドル安傾向が顕著だ。今後を考えるうえでも、日銀よりもFRBが次にどう動くかが為替・株価に大きな影響を及ぼす。今後の追加緩和はリスクとの兼ね合いが重要となる。日米ともに緩和が物価に及ぼす影響を警戒という点は共通だが、さらに日銀は緩和が「財政ファイナンス」視されることを強く危惧している。従来内規としてきた銀行券ルール突破が確実になっている中で、今後どう追加緩和を整理するのか注目される。日銀は行動に加えて従来以上に説明力を高めて緩和期待をつなぎ、米景気の本格回復に伴うドル高の波を待つだけの時間を稼ぐ必要がある。
- (日米欧金融政策) 4月の金融政策は、日本が月終盤に資産買い入れ基金増額による追加緩和を実施した。欧米金融政策は現状維持となったが、FRBバーナンキ議長が会見にて追加緩和についてやや踏み込んだ言及をし、市場のQE3期待を繋ぐ形に。
- (金融市場の動き) 4月の金融市場では、欧州問題の緊張感の高まり、米雇用統計悪化からリスク回避地合いとなり、長期金利が低下、円が上昇した。欧州での選挙で波乱がなく、4月の米雇用統計が好調となれば円高圧力が緩み金利にも上昇圧力がかかるが、警戒感払拭までには至らず持続力はまだ期待薄。当面はボックス圏内の推移を予想。
(2012年05月02日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
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