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- 金融市場の動き(4月号)~ 正念場の株式・為替市場としつこいユーロ
2012年04月06日
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- (市場は仕切り直しに) 年初以降、各国ともに株価が上昇してきたが、長期的に見ると、日本株の出遅れ感は鮮明だ。ただし、年初から3月までの日本株は世界的な金融緩和の追い風に加え円高修正の恩恵が大きく、相対的にも好調であった。足元ではこれまでの株高要因に陰りがみられ調整局面に入っているが、先行きの鍵を握るのは売買高の6割以上を占める海外投資家の動向だろう。企業の採算には川下からの圧力がかかっているため、円高修正などを梃子に今後どれだけ量を上積みしていけるかが重要になる。利益回復の裏づけが見えてくれば、海外投資家は出遅れ修正に動く可能性が高い。一方、懸念材料も多く、とりわけ欧州債務問題の再緊迫化が最大の懸念。スペイン等の長期金利は上昇が鮮明となり、債務危機再燃への警戒感がにわかに高まっている。欧州危機が再燃した場合、円高からの圧力もあり、日本株は再び極めて不利な立場になる。
- (日米欧金融政策) 3月の金融政策は、日欧米ともに現状維持となった。米国についてはFRBが景気見通しを上方修正、後日発表の議事録にて追加緩和への言及がトーン・ダウンしたため、市場では量的緩和第3弾(QE3)への期待が後退している。
- (金融市場の動き) 3月の金融市場では、堅調な米景気等を背景に若干円安となり株価も上昇。しかし、足元ではこの動きは止まっている。注目度の高い為替については、米雇用統計と日銀決定会合の結果の組み合わせ、欧州問題への警戒感が当面の動きを決定付けるとみるが、いずれにせよ本格的な円安ドル高の流れにはまだ至らないとみる。
(2012年04月06日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
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