2011年05月20日

2011・2012年度経済見通し~東日本大震災後の日本経済

経済研究部 経済調査部長 斎藤 太郎

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<実質成長率:2011年度0.1%、2012年度2.7%を予想>
  1. 2011年1-3月期の実質GDPは東日本大震災の影響から前期比▲0.9%(年率▲3.7%)と2四半期連続のマイナス成長となった。景気は震災後の最悪期をすでに脱している可能性が高いが、4-6月期は震災後の急速に落ち込んだ水準からスタートするため、3四半期連続のマイナス成長は不可避とみられる。
  2. 7-9月期はプラス成長に復帰するが、夏場の電力不足が復興の足かせとなる。東京電力、東北電力の供給力見通しは当初よりも大幅に上積みされているが、これによって電力不足の問題が大きく緩和されたわけではない。政府は国民生活及び経済活動への影響が最小となるような電力需要の抑制を目指しているが、実際には必要以上の節電によって経済活動が大きく下押しされる懸念がある。
  3. 景気回復が本格化するのは、電力不足の問題が一段落し、官民による復興需要が顕在化する2011年度下期となるだろう。実質GDP成長率は2011年度が0.1%、2012年度が2.7%と予想する。



実質GDP成長率の推移
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経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴
  • ・ 1992年:日本生命保険相互会社
    ・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
    ・ 2019年8月より現職

    ・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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